七尾百合子
で?
高山紗代子
どうしたんだい?すべて解決したというのに怪訝な表情だね。
七尾百合子
ちょっと待ってください!本当にあの子の言う事を信じるんですか?
真壁瑞希
だって犯人が白状しましたし、ねえ。
高山紗代子
状況的な証拠も十分だし、ねえ。
七尾百合子
いやいやいや。
七尾百合子
いやいやいやいやいや!証拠とか以前におかしいでしょう!
七尾百合子
女の子一人がこんなところまで運んでこられるはずが無いですって!
高山紗代子
成長期だからね。
真壁瑞希
年頃ですしね。
七尾百合子
二人とも、あの子に褒めちぎられて浮かれてませんか?
高山紗代子
では、百合子君はあのマルチーズの擬人化みたいな子の証言を信じないのかい?
真壁瑞希
あ、もしかして本当にあの像がここまで歩いて来たと思ってます?
七尾百合子
……まだそっちの方が現実的な気がしてきた。
高山紗代子
いいね。なら、学校にはそう報告するかい?
真壁瑞希
レジェンドが増えていい感じですね。
高山紗代子
ファンシーだね。
七尾百合子
どっちかって言うとミステリーですけど。
七尾百合子
って!マルチーズの擬人化ってなんですか!
真壁瑞希
七尾さん、時折ものすごく昔の話掘り返しますね。
高山紗代子
君もそう思うかい?
七尾百合子
嵐の展開で言うタイミングありませんでしたがあの子、2つ隣のクラスですの子ですよ。
高山紗代子
……よく知っているね。君がそんなに交友関係が広い人物だったとは。
七尾百合子
有名なんですよ、あの子。あんな感じですし。それに、この人の孫の孫かなんかなんです。
真壁瑞希
……この像の?それはアメージングですね。
高山紗代子
なるほど。それならアンダースタンドだ。
七尾百合子
二人ともさっきからうつってますよ!っていうか、どっちみちこの像どうするんですか?
真壁瑞希
きっともうすぐ像運送部が来てくれますよ。
七尾百合子
え、そんな誂えたような部活あるんですか?
高山紗代子
百合子君、ソロソロ気づいて欲しかったけど、彼女は嘘つきなんだよ。
高山紗代子
そうだ、嘘つきついでに聞きたかったのだけど。瑞希君は、私を呼びに来る前……
真壁瑞希
はい、ちょうどクリーン作戦ひてました。散らかってたので、その時像がない事に気がついたと。
高山紗代子
そうか、ではあのエバンジェリストは今頃、サプライズしているだろうね。
高山紗代子
でもおかげで、パーフェクトになったようだ。
真壁瑞希
そっちの方が、いいかなって。
七尾百合子
今気づいた。この二人なんか気づいてるけどかくしてるな。
高山紗代子
まあ、なんにせよ学校に報告して、私たちの役目は終わりだ。
七尾百合子
……うーん。
高山紗代子
どうしたんだい?そんなに像をルックアットして。
真壁瑞希
こういう御仁タイプですか?
七尾百合子
いや、この像ってこんな……
七尾百合子
こんな服来てたかな……て。
真壁瑞希
……。
七尾百合子
まあでも、この像って誰もあんまり見てないですし。多分だれも気づきませんよ。
七尾百合子
私も勘違いかもしれないですし。
高山紗代子
……そうだね。
真壁瑞希
……誰か気づいてくれると、いいですね。
高山紗代子
お、そうしている内に運送部の面々が着いたようだね。私たちはお暇しよう。
七尾百合子
ええ!実在の部活だったんですか!?……っていうか!
七尾百合子
いつまでそのコスチューム着てるんですか!?
(台詞数: 50)