七尾百合子
武闘会の翌日、王子様は街に下りて、昨晩出会った娘探しを始めました。
北沢志保
武闘会にて私と渡り合った娘!あなたを私の妻にしたい!
北沢志保
この靴が娘の手がかりよ!この靴に合う女性はすぐに出てきなさい!
七尾百合子
それを聞いた街の娘達は、我先にと王子様の元へ走っていきました。
七尾百合子
……しかし。
北沢志保
娘A「何この靴!?足が全く上がらない!」娘B「あああ!!痛い!!足を捻った!!」
北沢志保
その方は特別でね。この通り物凄く重いのよ。まるで靴自体が凶器よ。
北沢志保
こんな靴を履いて蹴りを繰り出していた事に、二重の意味でゾッとするわ。
七尾百合子
何人もの娘達が挑戦し、全員がまともに歩くこともできませんでした。
七尾百合子
その時、その様子を家の窓から見ていたシンデレラがやってきました。
七尾百合子
そして、その靴に足を通し、ステップを踏みました。
矢吹可奈
王子様。私です。私が昨日の娘です。
北沢志保
おお!その身のこなし!間違いないわ!あなただったのね!
北沢志保
早速式を挙げましょう!大臣!式の手筈を整えるのよ!
矢吹可奈
その前に王子様。私のお願いを聞いてもらえますか?
矢吹可奈
私は自分よりも弱い人の妻になるつもりはありません。私を妻にしたいなら、私に勝ってください。
北沢志保
……面白い。だったら、私があなたの夫に相応しいかどうか…確かみてみろ。
七尾百合子
その時、群衆の中からシンデレラの継母が飛び出してきました。
矢吹可奈
継母「シンデレラ!ダメよ!戻ってきなさい!」
矢吹可奈
お義母様…無駄ですよ。お義母様にも…誰にも、私は止められない。
北沢志保
行くわよ……ッ!??
矢吹可奈
もちろん王子様にも。
七尾百合子
王子様は、自分に何が起きたかわかっていませんでした。
七尾百合子
ただ、気づけば近くの家の壁まで吹き飛ばされていました。
北沢志保
馬鹿な…昨日と全然違う…!?
矢吹可奈
昨日は魔法の力があったから…ですよ。
七尾百合子
魔女がシンデレラに与えたドレス。それはシンデレラの強過ぎる力を抑える拘束具だったのです。
矢吹可奈
私、この力のせいで今まで家に閉じ込められてきました。
矢吹可奈
でも、昨日知ったんです!思いっきり力をぶつけられることの楽しさを!素晴らしさを!
矢吹可奈
私、これから旅に出ます。もっともっと強い人と戦ってみたいんです
矢吹可奈
そしていつか強くて素敵な王子様と……えへへ!
北沢志保
…………。
七尾百合子
王子様は既に意識を失っていました。
矢吹可奈
継母「待ちなさい!お前を解き放ったら世界が大変な事になる!」
矢吹可奈
嫌です!止められるものなら力づくでどうぞ!
矢吹可奈
あははー!!私は自由だーー!!
七尾百合子
繋がれざる者と化したシンデレラは、最強でした。
矢吹可奈
よーし!シンデレラの大冒険の始まりだー!
矢吹可奈
継母「なんということだ…なんということだ…。」
七尾百合子
その後、シンデレラは世界中を巡り、様々な強敵との死闘を繰り広げましたとさ。
七尾百合子
めでたしめでたし。
(台詞数: 41)