高山紗代子
私が謎を呼んでいるんだよ。
七尾百合子
……
高山紗代子
……
七尾百合子
これ、ここ置いときますね。失礼しま……
高山紗代子
……計算より13秒早いね。
高山紗代子
良いよ、合格だ。
七尾百合子
え、え?
高山紗代子
ふふ、ようこそ。我が探偵部の部室へ。学校には慣れたかい?
七尾百合子
……
七尾百合子
あ、あの、どういうつもりなんですか?
高山紗代子
おや、何がだい?
七尾百合子
とぼけないでください。今朝、私の机にこの紙が入ってたんです!
高山紗代子
……なんだいそれは。意味不明な英数字が羅列した只の文字列にしか見えないが。
七尾百合子
簡単な暗号じゃないですか。この教室の場所を示している……。
高山紗代子
なるほど、それは分かった。だが私がやったとは限らないだろう。誰かの悪戯じゃないのか?
七尾百合子
証拠があります!
高山紗代子
そうかい、うかがおう。
七尾百合子
昨日、…わけあって夜遅くまで教室に残っていました。職員室へ鍵を返しに行ったのは私です。
七尾百合子
勿論、その時はこんな物はありませんでした。そして今朝。
七尾百合子
私は日直で早く登校して、鍵を取りに行きました。つまり……
高山紗代子
……まあ、それでも君以外の人間が教室に入る手が無いわけじゃ無いが、まあ無かったとしよう。
高山紗代子
そうなると、昨日の夜から今日の朝まで、君の机に細工をすることは誰にも不可能だ。
七尾百合子
あいさつ運動……。
高山紗代子
……
七尾百合子
今日からですよね。風紀委員が正門前に並んで、登校する生徒にあいさつをする。
七尾百合子
朝、日直以外に職員室にいても怪しまれず、そしてある程度自由に動ける人物。
七尾百合子
風紀委員長、高山紗代子さん。
七尾百合子
あなたが、犯人です。
高山紗代子
……
高山紗代子
……60点、かな。オマケして。
七尾百合子
あ、あれ。意外な反応。
高山紗代子
もっとヒントは与えたつもりだったし。切り口も他にあっただろう?
高山紗代子
その推理だとさ、別に私じゃなくても教室に入れるよね。
高山紗代子
あと、「あなたが犯人です」っていうのも何ていうか、オリジナリティに欠けるよね。
七尾百合子
そんなダメ出ししなくても……
高山紗代子
逆に言えば、何で君が私を犯人だと決めつけたのかが分からないよね。
七尾百合子
……いや、それは。
高山紗代子
まるで、私が実際に君の机にその紙を入れる所を見ていたみたいだ。
七尾百合子
……!
高山紗代子
まあ、それはひとまずおいといて。あの後もうひと押しすれば自白しちゃうかもしれないし。
高山紗代子
オマケして60点。いやいや、私の唯一の欠点と言えば人に甘すぎる事くらいだよ。
百瀬莉緒
ちょっと、二人友何やってるの?中々出てこないから皆時間持て余して……
七尾百合子
……
高山紗代子
……
七尾百合子
百瀬先生!何でここに?
百瀬莉緒
……あら、もしかして。
百瀬莉緒
前に言ってた「見どころのある子」かしら?
高山紗代子
そうか、そういえば君の担任は百瀬顧問だったね。
高山紗代子
さて、あらためて合格だ。七尾百合子君。
高山紗代子
探偵部へようこそ。
(台詞数: 50)