七尾百合子
みなさんは、風を見たことがありますか?
七尾百合子
私は風そのものは見たことがありません
七尾百合子
当然ですよね。風は空気のダンス、見えない空気の踊りはどんなに可憐でも見えないものです
七尾百合子
ですが『風流』という言葉があるように、人は古来より見えない風に雅を感じていました
七尾百合子
ある人は厳しくも美しい冬の吹雪に
七尾百合子
ある人は秋の空に流れる雲に
七尾百合子
ある人は揺れる夏の草原の碧に
七尾百合子
見えない風のダンスを共に踊るパートナー越しに感じ、観る
七尾百合子
そうして人々は、風の表情を、心を、古い時代から覗き続けてきました
七尾百合子
私は思います。風はとても愛らしく、いたずらっ子なのではないでしょうか?
七尾百合子
だから、ついつい気になって、見えないと知りながらも見入ってしまう
七尾百合子
そこにもほら
七尾百合子
春の風が花を舞いあげて季節外れの吹雪を踊ってますよ
豊川風花
~おしまい~
(台詞数: 14)