ミリカフェ店員馬場と女優のお客様
BGM
空想文学少女
脚本家
CRバルスP@禁酒中
投稿日時
2016-05-15 19:40:23

脚本家コメント
「主役」って書いたけれど、「勇者のくせに生意気だ」とか「村人Aが主役として覚醒する」みたいな展開もあり得るんですよね。
過去のミリカフェシリーズは、マイリストからどうぞ。

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馬場このみ
お待たせしました。コーヒーのお代わりです。
七尾百合子
ありがとうございます、このみさん。
七尾百合子
この時間帯って、静かで良いですね。読書に最適です。
馬場このみ
ふふっ、気に入ってもらえて嬉しいわ。
馬場このみ
そういえば百合子ちゃん。今度映画の主役をやるんですって?プロデューサーから聞いたわよ。
七尾百合子
え、ええ。そうなんです。ファンタジー映画の勇者役で…。はは…。
馬場このみ
何だか歯切れが悪いわね。嬉しく無いの?
七尾百合子
嬉しいのは嬉しいです。ただ…映画の主役なんて大それたこと、私にできるのかなって…。
馬場このみ
以前ヒーロードラマで主役をやったし、百合子ちゃんならできると思うんだけれど。
七尾百合子
そうでしょうか…私、自信がないです。
馬場このみ
……私ね、人は何かしらの経験を積み上げながら生きているって思うの。
馬場このみ
経験を積んで、積んで、積み重ねて、そうやってもっと高いステージに登っていくの。
七尾百合子
高い…ステージへ…。
馬場このみ
逆に何も積み上げていないと、できないことだらけだし、自信も持てないわ。
馬場このみ
私もね、24歳でアイドルデビューした時は不安だったのよ?
馬場このみ
「今から若い子に混じって、新しい事を積み上げていけるのかなー」ってね。
七尾百合子
私が自信を持てないのも、何も積み上げていないから、なんでしょうか?
馬場このみ
もしくは、積み上げていることに気づいていないか、ね。
馬場このみ
「自分のことを一番分かるのは自分」なんて言うけれど、気づけないことだってたくさんあるわ。
馬場このみ
……今回の仕事、プロデューサーがあなたに取ってきたんでしょう?
七尾百合子
はい。シアターの中で、私が一番適役だって言っていました。
馬場このみ
それなら、そう思わせるだけのことを、あなたが積み上げてきたのね。
七尾百合子
あ……そ、そうなんですかね…?
馬場このみ
頑張ってね、百合子ちゃん。私も応援しているから。それじゃあね。
七尾百合子
……はい。私、頑張ります。
馬場このみ
……あ、そうそう。言い忘れていたけれど。
馬場このみ
私も、百合子ちゃんにぴったりの役だって思うわ。上映、楽しみにしているわね。
七尾百合子
ッ!
七尾百合子
はい!!
七尾百合子
(……よし!やるぞ!)
七尾百合子
(正直、まだ自信は無いけれど…私を信じてくれる人のことは、信じたいから!!)
七尾百合子
(私が一番の勇者だって、自信を持って言えるようになろう!)
馬場このみ
…………頑張れ、百合子ちゃん。

(台詞数: 33)