北沢志保
百合子さんお疲れ様でした。これ、どうぞ。
七尾百合子
あ、ありがとう………。
七尾百合子
ーーー夢の中のライブは何とか乗り切ることができた
七尾百合子
ーーー自分の曲はもちろん、ユニット曲もいい出来だった
七尾百合子
ーーーただ1つ、気になったことがある。それは……
北沢志保
私達のデュエット曲、ステージでは初めてでしたが、上手くいきましたね。
七尾百合子
う、うん………。
七尾百合子
ーーー1曲だけ、全く知らない曲があった。それだけなら問題ないが、更に…
七尾百合子
ーーー自分自身がそれを歌い、踊ったのだ。知らないはずの曲を
七尾百合子
ーーーフレーズが自然と浮かび、体が勝手に動く感覚
七尾百合子
ーーーその時だけはまるで操り人形になったようで、気味が悪かった
北沢志保
百合子さん?どうかしましたか?
七尾百合子
あっ……いや、ライブ、上手くいってよかったなって。
北沢志保
それは当然ですよ。だって………
北沢志保
………これは夢なんですから。
七尾百合子
えっ………!?
北沢志保
そんな驚いた顔をしなくても、百合子さんは最初から分かっていたでしょう?
七尾百合子
それは……
七尾百合子
ーーーもちろん、分かっていた。これは自分の夢。現実ではない。だが……
北沢志保
夢は夢だと自覚した時点で、思い通りにすることができる。成功を望めば、必ず成功する。
七尾百合子
ーーー違う。そうじゃない。私が聞きたいのは、なぜ………
北沢志保
……なぜ、私がこれが夢であることを知っているのか、ですか?
七尾百合子
!!
北沢志保
落ち着いてください。そんなに疑問を重ねられたら答えきれません。
北沢志保
別に全て答えてもいいですが………面倒なので、1つだけ。
北沢志保
なぜ、私がこの世界が夢であると認識しているのか。
北沢志保
それは、この夢が「私の」夢だからです。「あなたの」夢じゃない。
七尾百合子
………意味が分からない。
七尾百合子
志保の夢?ここが?じゃあ私は何なの!?
七尾百合子
私だってこれが夢だと自覚してる!ならこれは私の夢じゃないの!?
七尾百合子
それとも、私は他人の夢に干渉してるとでもいうの!?
七尾百合子
そもそも志保は私の夢の中だけの存在で………!
北沢志保
………
北沢志保
………ここで話しても理解できないでしょうね。
七尾百合子
バカにしてるの?
北沢志保
時間です。あなたにとっての現実に帰ってください。
北沢志保
そこで、嫌でも真実を知るでしょうから。
七尾百合子
何を………
七尾百合子
ーーー
七尾百合子
言ってるの!?(ガバッ)
七尾百合子
………あれ?
七尾百合子
本当に夢から覚めた………?
北沢志保
「嫌でも真実を知るでしょうから」
七尾百合子
……いや、ただの夢だよね。気にする必要なんてない。
七尾百合子
私は「現実」に帰ってきたんだから………。
(台詞数: 45)