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七尾百合子
夜、突然 昴さんに呼び出された
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七尾百合子
まぁ、突然と言っても
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永吉昴
「なあ百合子、この日の夜ってなんか用事あるのかのか……?」
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永吉昴
「いや、なんでもない!なんでもない!聞いただけ!……用事がないならいいんだ、うん。、、、」
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永吉昴
「あと、百合子のとこって、夜の外出は大丈夫なうち……?」
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永吉昴
「あ、大丈夫ならいいんだ!うん、なんでもない!聞いただけ、聞いただけ!」
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七尾百合子
なんて、親切なほど不自然な前振りがあったので
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永吉昴
「ごめんな、急に呼び出したりして……」
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七尾百合子
「う、うん……」
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七尾百合子
驚いてるふり、うまくできてるかな、なんてことが気になってしまう。
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永吉昴
「あ、もうすぐ日付が変わる……」
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永吉昴
「……3……2……1……」
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永吉昴
「ゼロ!!」
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永吉昴
「ゼロ!!Happy Birthday!百合子!」
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七尾百合子
後ろ手に持っていただろうクラッカーが鳴らされる。
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永吉昴
「へっへー、サプライズ!驚いた?ねぇ驚いた??」
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七尾百合子
誕生日前日の夜に呼び出されて、期待しない女の子がいるでしょうか
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七尾百合子
まったく、サプライズがへたっぴだ。
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七尾百合子
「うん……すごく嬉しい。」
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七尾百合子
でも、これは本音。
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永吉昴
「百合子……ほら、向こう見てみろよ」
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七尾百合子
水際には私達の劇場。……0時をまわって、各施設の照明が落とされていく。
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永吉昴
「普段はあんなにキラキラしてるのにさ、明かりが落ちるとこんな風になるんだよココ。」
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七尾百合子
ここで、シアターの明かりが突然付いて、メッセージが浮かび上がる
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七尾百合子
……なんて、ベタな妄想をしてしまった。……いくらなんでもそれはやり過ぎよね。
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永吉昴
「でも、非常灯の明かりがさ、川に反射して、劇場全体が青ーく、なるだろ」
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永吉昴
「この青色が、波でユラユラしてキレイなんだけど、どこか不思議な感じで、魅入っちゃうんだ」
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永吉昴
「なんだか百合子みたいだなって!」
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七尾百合子
しまった、不意打ちだ
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七尾百合子
どうしよう…嬉しいのと恥ずかしいのと、昴さんが真っ直ぐこちらを見つめてくるのとで
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七尾百合子
……まともに顔が見れない。
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永吉昴
「そしてこれ……」
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永吉昴
「はい!誕生日プレゼント!」
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七尾百合子
「あ、ありがと……」
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七尾百合子
ん、これは何?なんだか本のようだけど、少しくたびれている。タイトルは……
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永吉昴
「プロ野球選手名鑑!」
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七尾百合子
……一瞬、思考が止まり、急発進するかのように頭の中ががくんと揺れる
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七尾百合子
なんで選手名鑑??しかも、誰かが読んだ後のような、え?中古なのかしら?どうして?
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七尾百合子
いくら野球が好きだからって……なんか、期待してたとかじゃなくて、そんなんじゃないけど
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七尾百合子
わけがわからず、泣いてしまった……。
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永吉昴
「わわわ、気に入らなかったか?」
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永吉昴
「その、俺は全然本とか読まないんだけど…。この前百合子が紹介してくれたやつがさ、」
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永吉昴
「すげー、読みやすくて。こんな面白いものあるの知らなかったあーって、嬉しくなってさ」
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永吉昴
「だからその……百合子にも、俺の大好きな野球のこと少しでも知ってもらえたらなって……。」
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七尾百合子
「…………え?」
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七尾百合子
私は慌てて、その本を開く
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七尾百合子
そこには、各選手の特徴が、丸っこい字で、それはそれは丁寧に、細かく書き加えられていた。
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永吉昴
「それ、手元にあったら、百合子も一緒に野球観て楽しめるかなって……迷惑だったかな?」
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七尾百合子
私は自分の早とちりに気が付き、大きく首を横に振るのが精一杯だった
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永吉昴
「へへ……サプライズ成功かな!」
(台詞数: 50)