歌は悠久の時を翔けて〜最終皇帝このみ番外
BGM
プラリネ
脚本家
イッパイアッテサ
投稿日時
2015-09-26 17:37:48

脚本家コメント
ジュリアの誕生日に添えて。
ロマンシングサガ2とのクロスオーバーで連作している拙作と、世界観は共通させていますが、今回は本編の流れにさほど関連付けせず、
ジュリアのパンクロックスターっぷりを狙って書きましたが、いかがでしょうか。

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馬場このみ
……仇敵を倒して、嵐を収めることはできたけど……むしろ心にわだかまりが残ったわ。
馬場このみ
世界の安寧が私の義務。人々の笑顔が最大の報酬。分かってるけど、心がささくれ立つ感じね……。
七尾百合子
……このみ様、ちょっと此方へ!伝説の吟遊詩人様が、この港町に逗留してるそうです!
馬場このみ
歌……か。皇位継承してから、そんな楽しみもなかなか御無沙汰よね。よし、行ってみますか。
ジュリア
〜♪
ジュリア
……ってなところだな。次のリクエストが無いなら、シマを変えるぜ。次の客が待ってるからな。
七尾百合子
お待ちください、吟遊詩人さん!次は是非、私達に詩を!
ジュリア
へぇ、チカパの山頂でもないのに有翼種(イーリス)が居るなんて、珍しいこともあるもんだ。
馬場このみ
そうね。世界を遍く巡り歩く吟遊詩人は、有翼種(イーリス)の里にも赴いたのよね。
ジュリア
歌を求めている奴がいる場に、吟遊詩人は導かれるものさ……皇帝陛下が因縁に引かれるように、な
馬場このみ
……まだ貴女には、私が皇帝だって明かしてない筈よ。なんで気づいたの?
ジュリア
そりゃ、滅多に下界に降りて来ない有翼種(イーリス)と一緒なんだ。並の奴じゃないだろ。
ジュリア
それに、あんたからは魂の強い輝きを感じる。幾つもの魂が積み重なっているようなのさ。
七尾百合子
……あの、街の噂で聞きました。吟遊詩人様は、悪しき嵐の起こったすぐ後にやって来て……
七尾百合子
食事と宿代だけ受け取って、今までずっとこの街の人の為に歌ってたって。
ジュリア
歌は術法じゃない。いくら極めても、嵐を吹き払ったり、ましてや怪物を打ち倒したりできない。
ジュリア
だけど、人の心を暖めることはできるからな……嵐の日にも心に太陽を、昏い日々に希望の灯火を。
ジュリア
……柄にもなく、あたし自身の心の内を話しちまったな。まあさっきのは、聞き流してくれ。
ジュリア
吟遊詩人は、紡ぎ響かせる歌そのもので評価されるべきだぜ。己の想いや主義は、詩にするのさ。
ジュリア
あたしの名前は『ジュリア』。あたし自身について語るのは、これでお仕舞いにするよ。
七尾百合子
……遥か昔、私達の里に来た吟遊詩人様も『ジュリア』という名でしたが……偶然の一致ですか?
馬場このみ
先帝達の記憶に有る吟遊詩人達も、皆んな『ジュリア』よ。たまたまではないわよ、流石に。
ジュリア
吟遊詩人の技や詩ってのは、一子相伝なのさ。後継者を鍛え、いよいよの時名前ごと継がせる。
ジュリア
だから、あたしが当世の『ジュリア』なのさ。『ジュリア』になる前の名前を聞くのは、野暮だぜ。
馬場このみ
……私達皇帝は、伝承法という秘術を使うけど。吟遊詩人は、魔術に頼らず久遠の時を生きるのね。
ジュリア
別に珍しい事じゃない。魔術は長年の研究で引き継がれ、街の職人は徒弟に技術を写すんだ。
ジュリア
そうやって、誰もが悠久の流れの中で、なにか「永遠」を残そうとするのさ。
ジュリア
人間の身命は、儚く消え去るもの。でも何か「永遠」に関われたなら、それでいいと思えるものさ。
ジュリア
そして「永遠」を打ち立てようとする事は、闘いでもあるんだ。
ジュリア
農地を守る為に虫達と闘い。技術が棄損しないよう高みを目指して闘い。響く詩を紡ぐのも闘い。
ジュリア
……闘ってるのは、皇帝陛下御一行だけじゃないぜ。吟遊詩人だって、闘い続けてるんだ。
馬場このみ
……
ジュリア
宿命を受け、彷徨うのを怖れるな。皇帝じゃなく、あんた自身を見ている奴は、きっと居る。
ジュリア
闘う事に気遅れるな。誰もが闘いの中に身を置いてるし、何処かでは衝突してるものなのさ。
馬場このみ
……随分言いたい放題してくれるのね。でも、お陰で少し気が楽になったわ。
ジュリア
世俗の権力におもねってたら、吟遊詩人じゃねえからな。……で、あんた達のリクエストは?
七尾百合子
このみ様、僭越ながら……私、莉緒さんが言ってた、人魚と皇帝の部下の恋物語が聴きたいです。
ジュリア
OK、じゃあ始めるぜ。あたしの魂のハーモニーを聴きな!
ジュリア
……♪
七尾百合子
……ううっ、私、感激しました!吟遊詩人様の歌声にも、二人の報われなくとも純粋な恋心にも!
馬場このみ
ふふっ、私もよ。フィクションとはいえ、心打つものがあるわ。それじゃ、お代を……
ジュリア
皇帝陛下からは受け取れねえよ。世界中の人間が、心から詩を愉しめる様にしてくれるのが報酬さ。
馬場このみ
……皇帝として、その報酬は払うわ。きっと、ね。
馬場このみ
でも今は、一人の聴衆として払うわよ。一人の人間として感動したんだから、それを示すために。
ジュリア
全く……歴代皇帝の中でも、多分あんたは異色だよ。……次は平和な世界で巡り会おうぜ、約束だ。

(台詞数: 45)