七尾百合子
いてて・・・。お家の近くの森を歩いてたら、人の言葉を喋るウサギさんが出てきて・・・
七尾百合子
追いかけたら、落とし穴みたいなのに落ちちゃった。ずいぶん深かったみたいだけど・・・
七尾百合子
落ちた先が知らない森だなんて・・・ここはどこ?早く帰らないと、お父様に怒られちゃうわ。
音無小鳥
ジャジャーン!チェシャ猫とかお茶会とかすっとばして女王の登場でーす!!
七尾百合子
きゃっ!?あ、あなたは誰!?
音無小鳥
私はこの「不思議の国(ワンダーランド)」の女王よ。この国で一番偉いのよー。
七尾百合子
ワンダーランドの女王さま?ここは国なの・・・?あ、そうだ!この国で一番偉いなら、
七尾百合子
私のお家までの道は知ってる?私門限があって、それまでに帰らないとお父様がすっごく怒るの!
音無小鳥
それは大変!厳しい家柄なのね・・・。でも心配いらないわ、ここは時間なんてないんだからね。
音無小鳥
それに、あなたの好きなものも沢山あるのよ、アリス。
七尾百合子
えっ?何で私の名前を、初めて会った女王さまが知ってるんですか?
音無小鳥
そりゃ、女王ですもの。あなたが15歳の読書好きな少女だって事も知ってるわ。
音無小鳥
そして、あなたの好きな本もね・・・ウサギちゃーん。あれお願いねー!
周防桃子
ぴょ~ん!持ってきました女王さま!ぴょ~ん!
七尾百合子
あ!さっきの喋るウサギさんだ。近くで見ると思ったより人感があるけど。
七尾百合子
でもそのウサギさんが持ってるカートに入ってるのは・・・私が好きなファンタジー小説だわ!
音無小鳥
そう、アリスの大好きなシリーズよ。でもいつもの小説じゃないでしょ?
七尾百合子
本当だ・・・これは漫画?この本に漫画版なんてあったかな?しかもぺらぺらの本だね。
音無小鳥
うふふ。それは同人誌って言うのよ。アリスと同じくその作品が好きな人が
音無小鳥
独自で描いた本なのよ。騙されたと思って読んでみない?アリス。
七尾百合子
うん、読んでみる・・・パラパラ
七尾百合子
・・・・・・パラパラ
七尾百合子
・・・女王さま、これすっごく面白いね!本編とは違って勇者と僧侶の友情が強く書かれてる!
音無小鳥
でしょ!?良いでしょ!?同人誌ってそこが良いのよー!
音無小鳥
原作ファンが、描写されてないけどここはこんな事があったのかな・・・とか。
音無小鳥
ここはこんな事があって欲しいな・・・とか。そんな知的な欲求を満たしてくれるのが同人誌。
音無小鳥
まぁ、作家の絵の上手さによって面白さが変わったりするけど・・・そこも味よね。
音無小鳥
それで、どう?アリスはこの同人誌気に入った?
七尾百合子
うん!もっと読みたい!このいっぱいあるドージンシ、もっと読んでいい?
音無小鳥
どうぞどうぞ、敵の悪魔側の本とか、薄い本が厚くなるまであるから遠慮なく読んでねー。
音無小鳥
(それからアリスは、同人誌を時間を気にする事なく読み漁りました)
七尾百合子
僧侶の熱い言葉に顔を赤くする勇者が可愛いね!これは小説ではわからない所だわ・・・!
音無小鳥
・・・うふふ、そこに気付くとは・・・やはり私の目に狂いはなかったわね。
七尾百合子
えっと、次は・・・あれ?この同人誌だけ雰囲気が違うっていうか・・・
七尾百合子
なんで、表紙の2人は同じベッドで寝てるの?それに・・・お洋服着ないで寝てるよ?
音無小鳥
ついに・・・その本を見つけてしまったわねアリス。それは同人誌の原点にして頂点。
音無小鳥
空想が作る芸術の極みよ。あまりの芸術に中毒になる女性も多い魔性の本・・・!
七尾百合子
ええっ?それはちょっと・・・お父様に怒られそう・・・。
音無小鳥
でもそこで得られるのは新しい価値観、新しい世界・・・知りたくない?感じたくない?
七尾百合子
・・・・・・うん。知りたい、感じたい、読みたい!女王さま、私この同人誌を・・・
音無小鳥
・・・手にとったわね!それを!
七尾百合子
え?本が光って・・・光が辺りを・・・キャーーッ!!!!
音無小鳥
ようこそアリス!ここが私達の本当の国「腐思議の国(アンダーワールド)」よ!!!!
七尾百合子
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
七尾百合子
あれ?ここは・・・いつもの森だわ。私何をしていたんだろ?夢でも見ていたのかしら?
七尾百合子
あっ、早く家に戻らなきゃお父様に怒られちゃう・・・あれ?私何か持ってる。
七尾百合子
・・・これは!私が最後に手に取った同人誌だわ!夢じゃなかったんだ!
七尾百合子
この中に新しい世界が・・・!読んでみなきゃ・・・・・
七尾百合子
この中に新しい世界が・・・!読んでみなきゃ・・・・・・・・・///カァ~ッ
七尾百合子
え?何で!?男の人同士なのに・・・そんっ・・・えっ!?おっ!?え~っ!!!///
(台詞数: 50)