愚書
BGM
Thank You!『アイドルマスター ミリオンライブ!』テーマソング
脚本家
Կիշիրա
投稿日時
2014-11-15 03:00:52

脚本家コメント
この物語の始まりでした。

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七尾百合子
昔から本が好きでした。
七尾百合子
たくさんたくさん本を読みました。
七尾百合子
中略、たくさん本を読んで。
七尾百合子
いろんな事を知って。
七尾百合子
たくさんたくさん。
七尾百合子
……
七尾百合子
ええ、今日もです。
七尾百合子
たくさん機会を失いました。
七尾百合子
……はぁ。
七尾百合子
今日はもう寝よ……
七尾百合子
ふう……お布団冷たい……。
七尾百合子
……
七尾百合子
寝れない!(ら抜き!)
七尾百合子
やっぱり結構気にしてたんだなぁ。気晴らしに本でも読も……
七尾百合子
……
七尾百合子
読めない!!
七尾百合子
はあ、私にとって諸悪の根源であり原点ともいえる本にまで見放されたらおしまいだなあ……
七尾百合子
いや、だめだめこんなんじゃ……明るいこと考えよう!
七尾百合子
えーと……
七尾百合子
……
七尾百合子
ぽんぽこぽん!(たぬき!)
七尾百合子
……
七尾百合子
あ、そういえば……今日は本読むなって言ってたっけ……
七尾百合子
先輩の言葉を思い出した私は、若干の侘しさと少しの期待を込めながら
七尾百合子
両手に少しの力を込めて――
七尾百合子
表紙を――
七尾百合子
ぱたん――
七尾百合子
……本を閉じた風圧を感じたのは初めてでした。
七尾百合子
そういえば、皆さんは図書館は何故涼しいかご存知でしょうか。
七尾百合子
図書館は多くの人が読書をする場所であり、必然的に本の開閉が多くなります。
七尾百合子
そうです、つまり瞬間最大風速は春一番並の本パタパタの風圧で、室内は常に低気温に保たれている
七尾百合子
わけないですよね。お粗末様です。
七尾百合子
でも、そんな冗談を一人で放ってしまうほど、その感触は心地良く……
七尾百合子
本を机に置くと、その腕はとても軽く……
七尾百合子
手持ち無沙汰になった私は何かすることが無いかと辺りを見回しました。
七尾百合子
すると、今まで何の感情も起こらなかった物が突然愛おしく感じたのです。
七尾百合子
自分が今何をしようとしているのか考えると、とても馬鹿馬鹿しいです。笑ってしまいます。
七尾百合子
私は机に座りなおすと、あのにっくき書きかけの数学プリント、それを。
七尾百合子
とりあえず数字と呪文が見えないように裏返しました。純白です。いい気味です。
七尾百合子
さて、私は本当に始めてしまうのでしょうか。そう思うと改めて愚かしいです。
七尾百合子
恐らく私は今から、世界で一番くだらないことを始めます。
七尾百合子
それを思うと、我ながらとても情けなく……
七尾百合子
……
七尾百合子
いえ、嘘をつくのはやめましょう。
七尾百合子
今から始まることが、正直とても楽しみでたまりません。
七尾百合子
今日の夜だけは、決してあけて欲しくありません。
七尾百合子
まず、いずれまた読むであろう本に少しの別れを告げて――
七尾百合子
素晴らしい仲間にお礼を言って――
七尾百合子
目の前の純白の四角に舌なめずりしながら――
七尾百合子
私はペンをとりました。

(台詞数: 50)