七尾百合子
昔々あるところに浦島太郎という若者がおりました。
七尾百合子
ある日浦島太郎が浜を歩いていると、亀をいじめている子供たちに出会いました。
七尾百合子
「たかつきさn…亀さんとっても可愛いわ!次はこの練乳アイスを手を使わずに食べてみて!」
七尾百合子
「うぅ~口の周りが溶けた練乳でベタベタします~」
七尾百合子
「あっ!その表情いいですね!一枚、撮らせてください!」
七尾百合子
見かねた浦島太郎は子供たちにやめるよう声をかけました。
七尾百合子
「亀さんも困ってるみてぇだし、ここはやめてやってくれないかねぇ?」
七尾百合子
「え?あなたもアイスが欲しいの?」
七尾百合子
「そうじゃなくて、亀さんを放してやってくんねぇかい?」
七尾百合子
「仕方ないわね。一本だけよ?はいあ~ん!」ガッ
七尾百合子
「もごもご。うぅ、口の周りがベタベタするよう。」
七尾百合子
「あっ!その表情いいですね!一枚、撮らせてください!」
七尾百合子
浦島太郎の説得により、反省した子供たちは帰って行きました。
七尾百合子
「今日は大漁ね!早速帰って写真を吟味するわよ!」ホクホク
七尾百合子
「あっ!その表情いいですね!一枚、撮らせてください!」
七尾百合子
亀は浦島太郎にたいそう感謝し、前ヒレを体の後ろ側に振り上げる独特のお辞儀をしました。
七尾百合子
「あの、助けていただいてありがとうございました!」
七尾百合子
「放してもらえて良かったべさ。したっけ今度から気ぃつけるんよ?」
七尾百合子
「大したお礼は出来ないかもですけど、よければ竜宮城に招待させていただけませんか?」
七尾百合子
「ならちょびっとだけお邪魔させてもらおうかねぇ。」
七尾百合子
浦島太郎は亀に案内されて竜宮城に向かいました。
七尾百合子
「じゃーん!竜宮城へようこそ!」
七尾百合子
竜宮城は木造二階建て築数十年といった外観です。浦島太郎が中に入ると鯛や平目が出迎えました。
七尾百合子
「亀姉ちゃん、おかえりー!」
七尾百合子
「あ、知らないお姉ちゃんがいるー!」
七尾百合子
「うん、浜で私を助けてくれた浦島太郎さんだよ」
七尾百合子
「浦島太郎です。すまねぇけど、今日は世話になるよ。」
七尾百合子
「いらっしゃ~い」
七尾百合子
続いて乙姫様が浦島太郎に挨拶をしました。
七尾百合子
「亀お姉ちゃんを助けてくれてありがとうございます。」
七尾百合子
乙姫様は9才です。お団子が2つ乗ったような髪型は、毎朝亀に結わえてもらっています。
七尾百合子
「今日は木曜こうれいのもやし祭りですから、いっぱい食べていってくださいね。」
七尾百合子
浦島太郎は、もやし祭りがある夜まで鯛や平目や乙姫様と遊んだりして過ごしました。
七尾百合子
浦島太郎が故郷の雪国の話をすると、皆は目を輝かせて聴き入りました。
七尾百合子
そんな賑やかで楽しい時間を過ごしているうちに、もやし祭の準備が整いました。
七尾百合子
「じゃあ、もやし祭り開催しまーす!」
七尾百合子
「いただきまーす!!」
七尾百合子
口々に言うと、それぞれ競うようにもやしへ箸を伸ばします。
七尾百合子
浦島太郎も一口食べてみると、もやしのシャキシャキ感とコクのあるソースの甘辛さを感じました。
七尾百合子
「なんまら美味しいねぇ!こんな美味しいもやしあたし初めて食べたよ!」
七尾百合子
「でしょう?決め手は特性ソースです!」
七尾百合子
「確かに、野菜の甘みを引き出す見事なソースだわ。あたしの故郷の野菜にも合いそうだねぇ。」
七尾百合子
山盛りだったもやしはあっという間に食べきられ、すぐに浦島太郎が帰る時間になりました。
七尾百合子
「今日は助けていただいて本当にありがとうございました!また遊びに来て下さいね!」
七尾百合子
「あたしも、久しぶりににぎやかな食事ができて嬉しかったよ。また来るからねぇ。」
七尾百合子
それからというもの、浦島太郎はたびたび竜宮城を訪れるようになりました。
七尾百合子
その際には必ず、浦島太郎の故郷の野菜がたっぷり入った玉手箱を持って行ったそうです。
七尾百合子
めでたしめでたし。
七尾百合子
………
七尾百合子
(あ、普通に良い話ですねコレ)
(台詞数: 50)