中谷育
紗代子さん、わたし、へんかきゅうが投げたい!
高山紗代子
きゅ、急にどうしたの育ちゃん?
中谷育
今日、体育の授業で野球をやったんだけど、ともだちがいっぱいさんしんをとったの。
中谷育
わたしもさんしんを取れるようになりたいけど、速いたまは投げられないし……
中谷育
だから、へんかきゅうをおぼえればたくさんさんしんが取れるかなって!
高山紗代子
さ、最近の小学生は凄いんだね。
中谷育
ダメ、かなぁ?体育の授業なんかにムキになって子供っぽいかなぁ?
高山紗代子
ううん、そんなことないよ。
高山紗代子
なんにでも挑戦する心に大人も子供も関係ないもの!
高山紗代子
と、いうことで昴ちゃんを呼んできたよ!
永吉昴
へへっ、野球を教えてくれって言われたら断れないよな!
中谷育
昴さん、よろしくお願いします!
永吉昴
でも、その前にひとつ。できればオレは変化球を教えたくない。
中谷育
えっ……?
永吉昴
変化球って肘によくないんだよ。ましてや、普段全然投げない育だろ?
中谷育
じゃあ、わたし、さんしん取れないの?
高山紗代子
ねぇ、昴ちゃん、どうにかならないかな?私も手伝うから。
永吉昴
教えたくないと言っただけで、教えないわけじゃないって。
永吉昴
育にぴったりの変化球を教えてやるよ!
中谷育
ありがとう!
永吉昴
まずは、ストレートからだな。変化球で三振を取りたいなら直球を磨かないと。
高山紗代子
それじゃあ、まずは投げ込みだね!100球いく?
永吉昴
いや、キャッチボールから。これぐらいの距離から、な?
中谷育
いくよー、昴さーん!えーい!
永吉昴
お、いい感じ!筋がいいな、育!次はこう握って投げてみな。オレに当てる感じで手を振るんだ。
中谷育
うん。……えい!
永吉昴
お、上手い上手い!それじゃあ、次は
高山紗代子
投げ込みだね!200球いく?
永吉昴
少し離れて投げてみような。なー、育、体育はこれぐらいだったか?
中谷育
うん!
永吉昴
じゃあ、俺が座るから投げてみな。まずは俺に届けることを考えて。
中谷育
よーし……えいっ!
永吉昴
もっと力を入れていいぞー。
中谷育
えいっ!!
永吉昴
いい感じいい感じ!それじゃあ
高山紗代子
投げ込みだね!500球だね!!
永吉昴
お待ちかねの変化球だ。親指と人差し指で……そうそう、輪っかを作って、深く握って。
中谷育
こう?なんか力が入らないけど……
永吉昴
それでいいんだ。そのままさっきと同じように投げてみな?
中谷育
うん……えーい!!
高山紗代子
あれ?球が遅い?
永吉昴
そう!これがチェンジアップだ。
永吉昴
ストレートと同じ振りなのに球が遅いから、早くバットを振っちゃうんだよ。
中谷育
すごいすごい!これならわたしもさんしんがとれるかも!
高山紗代子
良かったね、育ちゃん。
永吉昴
よしっ!練習も終わったし、それじゃあ
高山紗代子
1,000球だね。
永吉昴
違う!
中谷育
2,000きゅう?
永吉昴
離れろ、2人とも投げ込みから離れろ!ストレッチだ!
(台詞数: 50)