高山紗代子
『高山紗代子は一人なの』
高山紗代子
「……どういうこと?」
高山紗代子
『私とあなたは別々ってこと』
高山紗代子
「だって、こんなに似てるのに!髪も顔も目も肌の色も声色も!」
高山紗代子
『でも、一つだけ違うところがあるでしょ?』
高山紗代子
「メガネ?でも、それなら……ほら!私だってとってしまえば……あっ」
高山紗代子
『ようやく気づいたんだね。みんなもっと早くに気づくと思ってた』
高山紗代子
「そうだよ……メガネをかけてない私は……」
高山紗代子
『全く目が見えないはず。百合子や育ちゃんのレッスンを見ることなんて無理。分かってくれた?』
高山紗代子
「……本当に別人なんだ。それじゃあ、沙代子ちゃんはどうして」
高山紗代子
『……私はただ、紗代子ちゃん、あなたを助けたかっただけ』
高山紗代子
『見ていられなかった。毎日毎日目を腫らして、五円玉を投げては手を叩いて……』
高山紗代子
『お手本が必要だと思ったの。紗代子ちゃんの一歩先を行くようなお手本が』
高山紗代子
『だから紗代子ちゃんに似せた。顔も髪も性格も。アイドルとしての実力以外は、ね』
高山紗代子
「メガネを外したのは、私がステージで外すから?」
高山紗代子
『お手本にしやすいかと思って。アドバイスしやすいように視力は上げておいたの』
高山紗代子
『紗代子ちゃんが2人になったって瑞希ちゃんが言った時は上手くいくと思ったんだけどな』
高山紗代子
『……結局、余計なお世話だったみたい』
高山紗代子
「そんなことないよ!私も百合子も凄く助かった!」
高山紗代子
『……ありがとう。でもね、私の代わりはいたんだよ。紗代子ちゃんの周りにいっぱい』
高山紗代子
『これは私のやり方じゃ無理。実際、桃子ちゃんを怒らせるだけだった』
高山紗代子
『ひたすら前を向くだけじゃなくて、足を止めたり、周りを見たりできる』
高山紗代子
『努力と根性。優しさ。このバランスがいいから、紗代子ちゃんにはたくさんの仲間がいる』
高山紗代子
『仲間を手本にすれば、紗代子ちゃんならきっと一流になれる』
高山紗代子
「……沙代子ちゃん」
高山紗代子
『そろそろ……時間だね。久しぶりに会えて嬉しかったよ』
高山紗代子
「ちょっと待って。どうして沙代子ちゃんは私のことを知ってるの?久しぶりって……」
高山紗代子
『……覚えてるはず。あの日私はこの神楽舞台であなたと一緒に踊ったの』
高山紗代子
「……この神楽舞台って……うそ」
高山紗代子
『良かった。覚えていてくれてたね』
高山紗代子
「なんで……なんで今まで!毎年ここに来てたんだよ!」
高山紗代子
『だって、約束したでしょ?今回は特別。お陰でペナルティだってあるんだから』
高山紗代子
「次は……いつ会えるかな」
高山紗代子
『それを聞く?』
高山紗代子
「……そうだよね!」
高山紗代子
『……時間だ。紗代子ちゃん、ペナルティで今日はみんなの記憶を消さないといけないんだ』
高山紗代子
『……バースデーライブもオーディションも全力で、ね!』
高山紗代子
「うん、任せて!
高山紗代子
「うん、任せて!……ねぇ、最後に一つ、教えて」
高山紗代子
「あなたの本当の名前は何?あの時も教えてくれなかったよね」
高山紗代子
『……』
高山紗代子
『……私には名前なんてない』
高山紗代子
『この神社で生まれて、ずっとここにいる。名前なんて呼ばれない、必要ない』
高山紗代子
『でも、あえてつけるとしたら、やっぱり……』
高山紗代子
『高山沙代子かn……
高山紗代子
あっ……沙代子、ちゃん……
高山紗代子
……
高山紗代子
……絶対、再会しようね。
高山紗代子
高山紗代子は一人だけど、タカヤマサヨコは一人じゃない!
高山紗代子
二人でこの神楽舞台で輝くんだから!
(台詞数: 50)