紗代子と紗代子~第6話~
BGM
カワラナイモノ
脚本家
nmcA
投稿日時
2016-12-26 01:06:55

脚本家コメント
合言葉は……
タカヤマサヨコは二人いる。
全10話構成予定(プロローグ、エピローグ除く)の第6話です。
ってタイトル!!!!!
「紗代子と沙代子」が正解です。
毎日更新していきます。
紗代子のセリフ→「」
沙代子のセリフ→『』
となっています。
これまでの話は下段もっと見るからどうぞ。

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中谷育
めいわくかけてごめんなさい。
高坂海美
そんなこと気にしないでいいから。それより動いて大丈夫なの?
中谷育
うん。少し休んだからもう平気。
高坂海美
……でも、今日のレッスンは終わりだよ。おかあさん呼んでおいたから。
中谷育
はい……。
高坂海美
それでさよちんが悪くないっていうのは……。
高山紗代子
『私が育ちゃんを叱ったのは本当のこと。無理にフォローしなくていいんだよ』
中谷育
ううん、言わなくちゃいけないから。
中谷育
だって、全部わたしのワガママなんだもん……。
高坂海美
わがまま?
中谷育
うん。今日の朝、いつもより早く着いたら紗代子さんがレッスンしてて
中谷育
わたしもレッスンがんばらなきゃって思ってたから、紗代子さんのマネをしようと思って、それで…
高坂海美
ちょ、ちょっと待って。さよちんの真似!?育りんが?無茶だよ!
高山紗代子
『そう思って私も止めたよ。育ちゃんにはまだ早いからって』
中谷育
でも、早く上手になりたかったから、無理言ってお願いしたの。
高山紗代子
『結局、私が折れた。その後、動きが悪い育ちゃんを注意したらちょうど桃子ちゃんたちが……』
中谷育
倒れたのだって勝手にレッスンしたからだよ。紗代子さんは悪くないの!紗代子さんを怒らないで!
高坂海美
……
高坂海美
……いや、さよちんが悪いよ。
中谷育
なんで?わがままを言ったのはわたしでしょ!?
高坂海美
さよちんが育りんを止めきれなかった。だからだよ。
高山紗代子
『……そうだね。育ちゃんがついていけないことを分かっていながら、レッスンをさせた』
高山紗代子
『しかも、勝手にマネまでさせてしまってこんな結果に……。私が悪いことには変わりない』
中谷育
紗代子さんがレッスンをさせてくれたのは、わたしが早く上手になりたい理由を聞いたからでしょ?
中谷育
わたしが、桃子ちゃんに早く追いつきたいって……負けたくないって言ったから……
高山紗代子
『……秘密にしたかったんじゃないの?』
中谷育
このまま紗代子さんが怒られるぐらいなら、ヒミツなんていいの!
中谷育
紗代子さんはわたしのことを考えて、レッスンをさせてくれたんだよ?ね?悪くないでしょ?
高山紗代子
『……
高山紗代子
『……だからだよ。育ちゃんの上手くなりたい気持ちに負けて、育ちゃん自身を守れなかった』
高坂海美
私たちはね、みんなが無理しすぎないように抑える役割でもあるんだから。
中谷育
でも……
高坂海美
育りんの優しさは充分に伝わった。これ以上、誰もさよちんを責めないよ。……ね?ももちん。
中谷育
桃子ちゃん……
高坂海美
さっ、元気出して。まだ時間はあるでしょ?私たちのレッスンだけでも見てってよ。
中谷育
……うん。
高坂海美
……ねぇ、もしかしてさっき、ももちんに強く当たったのって、育りんのことを知ってたから?
高山紗代子
『……一流のアイドルになるには、良いライバルが多いほうがいいってだけだよ』
高坂海美
もう、素直じゃないなぁ。そういうのはさよちんっぽくないよ!
高山紗代子
『……』
高坂海美
……さっきはごめんね、さよちん。知らなかったとはいえ酷いこと言って。
高山紗代子
『ううん、海美の言ったことは間違ってない。それに、大事なことに気付けたもの』
中谷育
……大事なこと?
高山紗代子
『……海美、ちょっとお願いしていいかな。これ』
高坂海美
これ……メモ?
高山紗代子
『うん。もう一人の私に渡して欲しいの』
高坂海美
自分で渡せばいいのに。今、近所の公園にいるってのりさんから連絡来たよ。
高山紗代子
『ううん、私じゃダメなの。あと、渡すときにこう伝えて……』
高山紗代子
『あの場所で待っているって』

(台詞数: 49)