高坂海美
ちょっと横になっていれば大丈夫だよ。
高坂海美
でも、なんであんなにがんばっちゃったかなぁ。
周防桃子
……
周防桃子
……紗代子さん、いや、沙代子さんに聞いたほうがいいのかな。育になにか言ったでしょ。
高山紗代子
『なにか、って?』
周防桃子
とぼけないでよ!朝のことまさか忘れてないでしょ?
周防桃子
あの後から育はずっとおかしかった。話しかけても上の空だし、全然休憩をとろうとしない……
周防桃子
叱られただけなら、ああはならないよ。沙代子さんに何か言われたからって考えるのが普通でしょ?
高山紗代子
『……』
高山紗代子
『……言ったでしょ?私は、育ちゃんに動きが悪いって言っただけ』
周防桃子
……っ!
高山紗代子
『だいたい桃子ちゃんに育ちゃんを心配している余裕はあるの?レッスンはいいの?』
高山紗代子
『このままだと育ちゃんに置いていかれるよ?最近結果が出てるからって油断してるんじゃない?』
周防桃子
なっ……桃子が甘いって言うの!?
高坂海美
ももちんもさよちんも止めなよ。
高山紗代子
「沙代子ちゃん、それは言い過ぎだし、桃子ちゃんが甘いわけじゃないよ!」
高山紗代子
「桃子ちゃんにとって育ちゃんが大事な友達だってことは知ってるでしょ?心配するのは当然だよ」
高山紗代子
『友達を心配することとレッスンの手を止めることはまた別。桃子ちゃんが甘いだけ』
高山紗代子
「甘いんじゃない、優しいだけ。それに心配した気持ちのままじゃ、怪我しちゃうよ」
高山紗代子
『だったら、なおさら心配している余裕はないでしょ?レッスン続けなきゃ』
高山紗代子
『言っておくけど、紗代子ちゃん、あなただって甘いんだよ。さっきのレッスンなんなの』
高山紗代子
「しっかり……やってたよ」
高山紗代子
『あれだけふらついておいて?本当に一流のアイドルになる気はあるの?』
高山紗代子
「あるよ!……あるけど、まだ私には」
高山紗代子
『まだ!?随分と余裕のあるセリフだね。ライバルが49人もいるというのに』
高山紗代子
「私だって頑張ってる!努力してる!……でも」
高山紗代子
『努力している人間は努力しているなんて言わないよ』
高山紗代子
『それに、"でも"だなんて……根性も足りないみたい』
高山紗代子
「そ、そんなこと……」
高山紗代子
『努力も足りない、根性も足りない、それでも本当に……』
高山紗代子
『努力も足りない、根性も足りない、それでも本当に……あなた、高山紗代子なの?』
高山紗代子
「……っ!?」
高山紗代子
「……っ!?」タタタッ...バタン
周防桃子
紗代子さん!
高坂海美
ももちん、待って。うん、のりさん、ゆりりん、お願いね。
高山紗代子
『……』
高坂海美
さよちん、本当に高山紗代子なのかわからないのは、こっちのさよちんのほうだよ
高山紗代子
『そうかな?努力と根性、一流のアイドルに一直線、それが高山紗代子じゃないの?』
周防桃子
……でも、私の知っている紗代子さんは、あんな責め方をしない。
高山紗代子
『……それはそうだろうね』
周防桃子
……?
高坂海美
さよちん、ごめんね……酷いことを言うようだけど……
高坂海美
さよちん、ごめんね……酷いことを言うようだけど……＼バタン/
周防桃子
育!?
高坂海美
もうちょっと寝てたほうがいいって、育りん!
周防桃子
そうだよ!
周防桃子
そうだよ!……え?
高坂海美
どういうこと?
周防桃子
沙代子さんは……悪くない?
(台詞数: 49)