北沢志保
正直、驚いています。
高山紗代子
それは褒め言葉として受け取っていいのかな。
北沢志保
もちろんです。私なりの最高の褒め言葉ですよ。
高山紗代子
良かった。
北沢志保
何をしたんですか?
北沢志保
今日の紗代子さんは、一回戦の茜さんの時とは明らかに違いました。歌も、動きも、
北沢志保
眼差しも
高山紗代子
特別なことは何もやってないよ。ただ、色んな人に色んなことを教えてもらっただけ。
北沢志保
……
北沢志保
私も、仲間と高めあったつもりだったんですけどね。
高山紗代子
それは、ちょっと違うかな。
北沢志保
……?どういうことですか。
高山紗代子
私は高めあったりしていないってこと。
高山紗代子
ただ、茜ちゃんとの対決の後、みんなとの日常を楽しんだだけ。
北沢志保
……紗代子さん、変わりましたね。
高山紗代子
そうかな。でも、今なら前にこのみさんに言われたことが分かる気がするなぁ。
北沢志保
このみさんに?
高山紗代子
そう。自信を持つことが大事なんだって思い込んでいた私にかけてくれたこと。
高山紗代子
やっと気付けた気がするんだ。だからこそ、私は変わっていないんだと思う。
北沢志保
……すいませんが、よく分かりません。
高山紗代子
きっと志保ちゃんにもわかるときが来ると思う。
高山紗代子
そうしたら、また同じ舞台に立とうね!
北沢志保
……紗代子さん。
北沢志保
優勝まであと三回です。頑張ってください。
高山紗代子
ありがとう。志保ちゃんの分も茜ちゃんの分も私、精一杯頑張るから。
高山紗代子
全身全霊の、全力で!
北沢志保
(……これが完敗だったらどれだけ良かっただろう)
北沢志保
(歌やダンスや位置取りや、色んなものがあと少し、手が届きそうな範囲で足りなかった)
北沢志保
(気付けたのに変わってない、か。これが分かれば私ももっと上に行けるのかな)
北沢志保
(……)
北沢志保
(何はともあれ、レッスンね。ちょうど陰からこっちをのぞいている茜さんがいるわ)
北沢志保
(茜さんだって気持ちは同じはず。どんなレッスンをしたのかは、また別の話だけど)
(台詞数: 32)