高山紗代子
「すっかり暗くなってしまいましたね」
高山紗代子
私とプロデューサーはある探し物をしている。
高山紗代子
それは…今日のゴルフイベで私がボールと間違えて打ってしまったプロデューサーの家のカギだ。
高山紗代子
いくら眼鏡を外していてよく見えなかったとはいえ、ボールと間違えるなんて…
高山紗代子
我ながら恥ずかしい限りだ。
高山紗代子
まぁ、そんなところにカギを落としていたプロデューサーにも非はあるのだけど。
高山紗代子
そのせいで私はイベントで最下位になり罰ゲームである水着姿を披露する羽目にもなった。
高山紗代子
まぁ、プロデューサーが似合ってるって言ってくれたからそれはいいんだけど。
高山紗代子
そしてイベント終了後、皆んなを先に帰らせ私とプロデューサーはカギを探しているのだけど…
高山紗代子
これがなかなか見つからない。そうこうしているうちに日が傾きだした。
高山紗代子
『もしかしたらゴルフコースには無いのかもしれない』
高山紗代子
プロデューサーのその言葉で探す場所を変更し海岸にやって来た。なぜなら…
高山紗代子
このゴルフ場は海に隣接しているからだ。もしOBになっていたらこの辺りにあるかもしれない。
高山紗代子
プロデューサーは砂浜を歩き回りながらカギを探し…
高山紗代子
私はさっきからこの場所にかがんで低い位置から辺りを見回している。
高山紗代子
しかし時間だけが過ぎて行き、とうとう太陽は水平線に隠れてしまったのだ。
高山紗代子
「どうします?この暗さでは探すのは難しいと思うのですが…」
高山紗代子
プロデューサーは少し考えて、『もう帰ろう』と言った。
高山紗代子
「でもプロデューサーはどうするんですか?スペアのカギも家の中って言ってましたし…」
高山紗代子
私の言葉にプロデューサーは少し困り顔になりながらも『どうにかするさ』と言った。
高山紗代子
「あの…こうなったのも私の責任ですし、とりあえず今夜はウチに泊まりませんか?」
高山紗代子
私の提案に驚いた顔をするプロデューサー。まぁ、当然か。
高山紗代子
「ほら…プロデューサー、前にハリ子に会いたいって言ってましたし。いい機会かなって…」
高山紗代子
プロデューサーの顔が少しほころんだ気がした。そんなにハリ子に会いたかったのかな?
高山紗代子
しばらく考え込んだプロデューサーだがやがて『お言葉に甘えようかな』と頭を下げた。
高山紗代子
「はい、喜んで。歓迎しますよ♪」
高山紗代子
あまり嬉しそうに言うのも不謹慎かもしれないけどついつい声が弾む。
高山紗代子
『じゃあ、早く帰り支度をしないと。あまり遅くなるとご家族にも迷惑をかけるしな』
高山紗代子
そう言うとプロデューサーは私を伴って歩こうとする。
高山紗代子
「あ、すみませんが先に行って帰りの支度をしていて下さいませんか?」
高山紗代子
私はかがんでいたのを立ち上がりながら言った。
高山紗代子
首を傾げるプロデューサー。まぁ、そうだろうな。
高山紗代子
「その…女の子にはいろいろあるので…」
高山紗代子
少し恥じらいながら言ってみる。
高山紗代子
プロデューサーは一瞬固まった後、『ああ…』とだけ言い…
高山紗代子
『あまり遅くなるなよ』と足早に行ってしまった。
高山紗代子
私のあれだけのセリフで何を想像したのかは分からないが…多分ロクなことじゃないだろうな。
高山紗代子
「まぁ、いいか。とりあえずプロデューサーはいなくなったし…」
高山紗代子
「ああ、いけない。そういえばプロデューサーに言い忘れた事があったわ」
高山紗代子
「今夜、私の家族は親戚の家に行っていて不在だってことを…」
高山紗代子
「まぁ、私の家に行ってから教えればいいわよね」
高山紗代子
「さて、まずは…」
高山紗代子
私はこの砂浜に来てすぐこの場所にかがんだ。
高山紗代子
それから一歩も動かなかった。なぜなら…
高山紗代子
「これを回収っと」
高山紗代子
足を少しズラしそこにあった物を拾い上げる。
高山紗代子
「これをどのタイミングでプロデューサーに返そうかな?」
高山紗代子
「それとも記念に持っていようかな?」
高山紗代子
「まぁ、いいや。とりあえず今夜を楽しもう。ナニか起きるかな?ちょっとドキドキするね」
高山紗代子
私はそれを胸の谷間に挟み込み、プロデューサーの後を追った。
(台詞数: 50)