高山紗代子
明日からいよいよ撮影だね、可憐!
篠宮可憐
は、はい!紗代子さん!だ、台本は何回も読んだので、……きっと大丈夫です。
篠宮可憐
でも、ま、まさか続編にも出演が決まるなんて思わなかったな。
高山紗代子
そうだね。「桃太郎説話連続殺人事件」の続編、「三匹の子豚ちゃん殺人事件」。
高山紗代子
前回のキャストに加えて、うちの事務所から朋花ちゃんや環ちゃんも選ばれたんだから、すごいよね
篠宮可憐
で、でも、今でもちょっと、ちょっとですけど、私なんかでいいのかなって思っちゃいます。
高山紗代子
可憐、もっと自信をもって。前作は大活躍だったじゃない。
篠宮可憐
そ、そうでしょうか。た、確かに、少しですけど、頑張れたような
高山紗代子
じゃあ、もっと自信をつけるために練習しようか!さ、セリフ合わせ百本やろう!
篠宮可憐
ひゃ、百本!?というか、セリフ合わせってそういう風にやるものじゃないような。
高山紗代子
じゃあ、立ち回り百本にする?
篠宮可憐
ひゃ、百本から離れませんかぁ?
高山紗代子
そうだよね、可憐。私が間違ってた。
篠宮可憐
わ、分かっていただけたようで何よりです
高山紗代子
百本じゃ生ぬるいよね!二百本!ううん、千本目指して頑張ろう!
篠宮可憐
え、え～
篠宮可憐
(ど、どうしよう。私なんかじゃ紗代子さんを止められないよ)
篠宮可憐
(そうだ、この前買った、リラックスできるアロマを使って)
高山紗代子
可憐って、変わったよね
篠宮可憐
えっ、い、いきなりなんですか?
高山紗代子
前だったら、自分に自信なんて全然持てなかったでしょ?
篠宮可憐
そ、それはそうかもです。こ、ここまで頑張ったから、ほんの少しですけど、自信が持てるようには
高山紗代子
今、カバンから出そうとしているアロマもやる気を出すためのものなんでしょ?
篠宮可憐
えっ!?えっと、これは、その……
高山紗代子
最近、私も自分を変えていかなきゃって思っているところだし、可憐からも刺激をもらっちゃったな
篠宮可憐
(どうしよう、出すに出せないよ……)
篠宮可憐
(ん?……自分を、変える?)
高山紗代子
じゃあ、始めようか!立ち回り二千本、よーい……
篠宮可憐
(ふ、増えてる!?)ちょ、ちょっと待ってください。
高山紗代子
どうしたの?時間は有限だよ。
篠宮可憐
あ、あのこのアロマなんですけど、リラックス効果があるんです
篠宮可憐
あ、あの、紗代子さんはたくさん練習して凄いなって思うんです
篠宮可憐
で、でも、リラックスすれば効率的かなって。わ、私なんかが偉そうに言うことじゃないんですけど
高山紗代子
可憐……
篠宮可憐
さ、紗代子さんが変わりたいなら、私も応援したい。一緒にこれを使って落ち着いた練習をって。
高山紗代子
そうだね。一生懸命やればいいってだけじゃないよね。
高山紗代子
心を落ち着かせて、でも熱く……!
高山紗代子
ありがとう。何かきっかけが掴めそうだよ。
篠宮可憐
そ、それはよかったです。
高山紗代子
じゃあ、練習を再開しようか。可憐、アロマの準備お願いできる?
篠宮可憐
はい、準備はバッチリです!
高山紗代子
よぉし、それじゃあ、立ち回り三千本開始!
篠宮可憐
はい!……え?
篠宮可憐
(結局私は百本を超えたところでギブアップしました。明日からの収録に響かないといいけど)
篠宮可憐
(あの後、朋花ちゃんと環ちゃんが来たけど、巻き込まれずに済んだのは幸いかな)
篠宮可憐
(紗代子さん、優しいから手加減はしてくれるだろうけど、環ちゃんにはまだ早いだろうから)
篠宮可憐
(ちなみに、二人が巻き込まれずに済んだのは、茜ちゃんが先に巻き込まれたからです)
篠宮可憐
(その経緯は、また別の機会にお話ししますね)
(台詞数: 48)