高山紗代子
「とまあ、そんな具合でここに来ることになったわけです」
福田のり子
……女神様の真相を聞いたわけだけど、何というかこの人もこの人で結構波乱万丈だったみたい。
福田のり子
それにしても、本当に神様の声が聞こえてたんだ。きっと、他にカラクリがあって、
福田のり子
この人は祀り上げられてただけだと思ってたんだけどなんというか。
福田のり子
「スピリチュアルだね!」
高山紗代子
「こういうのスピリチュアルって言うんですかね」
福田のり子
「でも、紗代子ちゃんの言うとおりだとすると、この星はもう息絶えちゃってるの?」
福田のり子
「その割にはあんまり変わってない気がするんだけど」
高山紗代子
「何と言いましょうか、この星が大きな亀で、その甲羅の上に私達が暮らしてるとします」
福田のり子
例えがめるへんだ!女神感ある!
高山紗代子
「前までは、その亀に運んでもらいながらその上で生活してた、という感じなら」
高山紗代子
「今は、白骨化した体の上で頑張って耐えてるみたいな感じ?」
福田のり子
……例えって言う割にはあんまり例えてない気がするけど。
福田のり子
「じゃあさ、何でこの塔に来ちゃったのさ。この星を滅ぼしたのが人間なら、敵じゃないの」
高山紗代子
「人類が星の敵だからこそ、ですよ。私は最初からこの戦いにおいて、一方に加担していました」
高山紗代子
「であれば、私は一貫して人類を生かさなければならない。と、言うのが」
高山紗代子
「私なりの星への罪滅ぼし、という事ですね」
福田のり子
……この人、要所要所でいきなり主感出してくるなあ。
福田のり子
「じゃあ、この塔でも人類の為に尽くすつもりなんだ」
高山紗代子
「そうですね。私に出来ることがあれば」
福田のり子
「でも、その代償は大きいかもしれないよ?紗代子ちゃんに払いきれるかわかんないかも」
高山紗代子
「人を救う為に一番大きな代償は既に支払っています。今からそれを、途中で止めるという事は」
高山紗代子
「今までの犠牲への罪です。私はもう進む方向が決まっている。」
高山紗代子
「という、私なりの正義ですね」
福田のり子
なるほど、これはいよいよ、この階の事は闇に葬らないと……
福田のり子
この子なら、何があっても受け入れそうだ。
福田のり子
……ただ、どうやって封印するかだよなー。紗代子ちゃんに今頼んだらどうにかなるかな?
福田のり子
いやいや、いきなり女神様がそんな事言い出したら怪しまれるか。うーん、誰か居ないのかな?
高山紗代子
「それで……そろそろ私の話を聞いてくれますか?」
福田のり子
「え、ああごめんごめん!確かなんか言ってたね。友達に伝言だっけ?」
福田のり子
「で結局友達って誰なのさ!?架空の人物とかじゃ無いよね?」
高山紗代子
「ですから、さっき話したでしょう?真壁瑞希さんの事です」
福田のり子
「あ、言ってた!あの噂本当だったんだね!で、伝言って何?逢えるかわからんけど」
高山紗代子
「羊に手を差し伸べれば、悪魔はあなたを代わりに選ぶ」
福田のり子
…………はい?
福田のり子
「ごめん、ちょっと話が読めないんだけど。今の何?ポエム?」
福田のり子
「あ!もしかしてポエムで交換日記的な事してるの?だったら他人経由しちゃだめだよ!」
高山紗代子
「恐らく、黙っていれば避けられるけど、何か行動することによって危険が訪れる」
高山紗代子
「的な意味だと思うんですよね。これは重要そうなので、必ず伝えて欲しいんです」
福田のり子
あ、もしかしてこの子、危ない電波を受信してしまっているんじゃ……やっぱり触れて良い存在じゃ
福田のり子
「あの、その言い方から察するに、紗代子ちゃんもそれを誰かから聞いたってこと?」
高山紗代子
「そうですね、きっと此処は前いた所より近いので、声が聞こえやすいんだと思います」
高山紗代子
「こんな高いところに来るまでは、こんな個人的な事まで話してくるなんて知りませんでした」
高山紗代子
「まあ、前までは下からの声が大きかったし、あんまり上は見なかったし」
福田のり子
「あ、はい。機会があれば伝えときます」
高山紗代子
「お願いします。お礼に、のり子さんの話があったときは伝える事にしますね」
高山紗代子
「のり子さんは友達なので特別ですよ」
福田のり子
「え!?いつの間に友達に!」
高山紗代子
「え!?互いに視線を交わせば親友だって貴音さんが!」
福田のり子
とにかく、この時にアタシは確信した。やっぱり紗代子ちゃんは生きてなきゃいけないって。
(台詞数: 50)