高山紗代子
彼女……あの科学者と話した日から数年後。
高山紗代子
いきなり進み過ぎに感じるかもしれませんが、あれからその日までは特に何も……
高山紗代子
無かったわけではありませんが、別に私の半生を聞きたいわけではないでしょう?
高山紗代子
さて、数年後。約束の災厄の日がやってきました。
高山紗代子
やってきました。とさらっと言いましたが、平穏に迎えたわけではありません。
高山紗代子
それまでに色々考えましたし、前の夜などはそれはそれは……
高山紗代子
……私の話じゃありませんでしたね。
高山紗代子
ちなみに、その間神様の言葉を聞こうとしましたが、その災いを起こす事以外は考えて無かったよう
高山紗代子
あ、でも結論の前に話さなければならないことがいくつかあるので、それを先に。
高山紗代子
一つ目は、科学者の話です。
高山紗代子
彼女たちは、災害を中和するとかなんとかいう研究をしていました。していたらしいです。
高山紗代子
それは極秘に行われていたらしいですし、あれから連絡も取っていないので本当の所は知りません。
高山紗代子
二つ目は、人々の話。
高山紗代子
神様が件の災害を起こすと決めた日から、災害が止みました。
高山紗代子
数年も平和な日が続いたことで、不安になった人が数多くいたそうです。
高山紗代子
よく代表の方から質問をいただきました。もう災害は起こらないのかと。
高山紗代子
私はとにかく不安にさせたくなかったので、その類の質問には全て大丈夫と答えました。
高山紗代子
では、そろそろ結末を。
高山紗代子
その日、世界は週末を
高山紗代子
その日、世界は週末を……
高山紗代子
その日、世界は週末を…………
高山紗代子
その日、世界は週末を…………迎えませんでした。
高山紗代子
まあ、それはご存知の通りですね。
高山紗代子
その日、私は世界が終わると確信していたので、ずっと起きている事にしました。
高山紗代子
しかし、夜になって、更けて、明けても何も起こらず、いつしか寝てしまっていました。
高山紗代子
翌朝、飛び起きた私は窓からあたりを見渡しました。
高山紗代子
そこにはやはりいつも通りの、地平線まで続く街がありました。
高山紗代子
次に私は内線で係の方に半分怒鳴りながら尋ねました。どこかで災害が起きていないかと。
高山紗代子
やはり何も起こっていないようで、私は呆然としました。いえ、思い知っていたと言うべきか。
高山紗代子
これは紛れもなく、神様に人が勝ったという事です。
高山紗代子
そのすぐ後、偉い人の使いが私の部屋に来ました。科学者グループから何やら重大発表があるそうで
高山紗代子
私にも会見に立ち会ってほしいという事でした。いやいや、流石に私は関係ないでしょう。
高山紗代子
体調がすぐれないことにして、休ませてもらう事にしました。ただ、おめでとうとだけ伝えました。
高山紗代子
その誘いを断ったのは、気になることがあったからでもありました。
高山紗代子
今朝から、神様の声が聞こえないのです。何も言わないと言う訳でもない。存在すら感じないのです
高山紗代子
……そもそも、神様の声なんて私しか知覚できない物について、
高山紗代子
こういう事を言っても無意味だとは思います。ですから、話半分に聞いてください。
高山紗代子
神様の正体についての仮説です。
高山紗代子
私は、あの声は神様などでは無く、この星そのものの声だと思っています。
高山紗代子
きっと地球は人と共生していたんだと思います。しかし、人間が地球を傷つけるようになり……
高山紗代子
あのような災害を起こして、人を減らすしか無かったんだと思います。
高山紗代子
それがうまくいっていたある日、イレギュラーな存在が生まれました。まあ、私です。
高山紗代子
私が声を聴き、人に加担したことで地球は調節を上手くできなくなり、人を滅ぼすしかなくなった。
高山紗代子
それも、かなりの力を振り絞ったようです。
高山紗代子
その最後の力さえも、科学……人が圧倒してしまった。彼女らがどのようにして災害を消したのか
高山紗代子
それは私には想像もつかないことですが、もしかしたらそれは、地球の命を消してしまったのでは…
高山紗代子
そう思った瞬間体中に寒気がして、本当に体調が悪くなりました。
高山紗代子
私は、人に過ぎた力を与えてしまった存在で……
高山紗代子
そして、
高山紗代子
この星を殺した存在です。
(台詞数: 50)