Stratosphere:12
BGM
追憶のサンドグラス
脚本家
concentration
投稿日時
2015-09-28 05:24:57

脚本家コメント
万物の源たる水:アプスー
ワケワカラン厨二展開に、非難轟々が目に浮かぶんだぜ。

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北沢志保
召集された第一ブリーフィングルームには、幾人かの見知った顔と、一人の見知らぬ女性。
北沢志保
何処かで見た様な気もするが……。他基地の隊員だろうか。
北沢志保
顔と名前が一致するのは、第765航空隊長豊川、第7航空団司令徳川、整備補給群長秋月。
北沢志保
他は遠目で見た事の有る程度。航空幕僚幹部の面々と、航空幕僚長。
北沢志保
幕僚幹部?幕僚長!?
北沢志保
慌てて敬礼する私達をやんわりと制し、幕僚長はゆっくりと、苦汁を噛む様に、告げた。
北沢志保
『本日17:00時を以て、第7航空団を含む当基地は、ニムロッド・ホールディングスより』
北沢志保
『運営面での特別顧問を招く事となりました。それに伴い……』
高山紗代子
「その先は私から」スーツの女性が、割って入った。
北沢志保
幕僚長の下知を遮って?どういう立場の人間なのか……。
高山紗代子
「皆さん、恐らくは『民間の素人に口を出させるのか』と危惧なさってるかと思いますが……」
北沢志保
穏やかな、しかし、恐ろしく存在感のある声。
高山紗代子
「また、新たな運用機の導入に於いても、此方の部隊でテスト運行を進めている最新鋭の……」
北沢志保
険しい表情の豊川隊長、徳川司令、困惑を隠せない秋月群長とのり子さん真さん、仏頂面の奈緒さん
北沢志保
私は頭が混乱している側の一人だった。
北沢志保
如何に世界の命運を意のままにする巨大企業とはいえ、民間の介入など許されるのか?
北沢志保
世論を反対派へと大きく傾ける火種となるのではないか?
北沢志保
いや、そうじゃない。 冷静になれ。
北沢志保
世論がどうとか倫理がどうとか、私の思考を乱しているのは、そこじゃない。
北沢志保
思い出した。
北沢志保
ニムロッド・ホールディングス最高取締役、高山紗代子。
高山紗代子
目の前でにこやかに微笑む彼女こそが、世界最高の権力と影響力を持っている。
高山紗代子
「時に、北沢志保さん」
北沢志保
不意に名指しで呼ばれ、思考が硬直する。
高山紗代子
「貴方は、真壁瑞希さんを御存知ですか?」
北沢志保
唐突な問いに、そんな名は知らない、と辛うじて答える。
高山紗代子
「では、横山奈緒さんを御存知ですか?」
北沢志保
横山奈緒なら、今この部屋に居るではないかと思いながら
北沢志保
何故か、そんな名は知らない、と答える。
高山紗代子
「では、二階堂千鶴さんを御存知ですか?」
北沢志保
実の姉を知らぬ筈が無かろうと思いながら
北沢志保
何故か、そんな名は知らない、と答える。
高山紗代子
「では、高山紗代子を御存知ですか?」
北沢志保
いやそれはあんたでしょ、と思いながら
北沢志保
何故か、そんな名は知らない、と答える。
高山紗代子
【では、シンアルの主の名は、覚えているか?】
北沢志保
突然、脳髄に、響く声。
高山紗代子
【汝の使命、忌まわしきマルドゥクとその眷族に死を与えん事、忘れてはおるまいな?】
北沢志保
視界が黒に染まる。
高山紗代子
【奴等めに、その身を二つに裂かれた恨み、よもや忘れてはおるまいな?】
北沢志保
平衡感覚が崩れ、身体が宙に放り出される。
高山紗代子
【汝の主を忘れるな】
北沢志保
朦朧とする意識の、遠くに響く声。
高山紗代子
【我は万物の源たる水】
北沢志保
……………□
北沢志保
blank□

(台詞数: 46)