百瀬莉緒
……南ロンギットのトバの街って、風光明媚な田舎って噂じゃなかったっけ?
馬場このみ
皇帝一行が、いきなり観光旅行するわけないでしょ!問題が発生してるから来たのよ。
高山紗代子
ロンギット海では、冬にはひと月の間海が荒れ続け漁に出れないことも有るそうですが……
高山紗代子
今回の嵐は、もう何ヶ月も続いています。漁業者以外にも、物流などに携わる臣民も苦しんでます。
百瀬莉緒
あー……そういえば最近、『満月亭』の酒場でも、『ヤウダの竹輪』とか入荷して無いわね。
馬場このみ
(酒場かあ……さすがに皇帝陛下がのこのこ出向くわけには行かないし、ご無沙汰してるなあ。)
高山紗代子
私の故郷カンバーランドにも影響が出ています。この嵐を鎮めなければ、混乱は全土に広がるかと。
馬場このみ
それに、あの大嵐があそこに留まり続けるも限らない。万一、街に上陸したら……
百瀬莉緒
ぞっとしないわね。……でも正直、どうやって嵐を消すの?上空から何か薬品を撒くとか?
百瀬莉緒
《百合子》……そこで私を見ないでください。あの嵐を乗り越えて飛ぶ自信、無いです……。
馬場このみ
《百合子》でも、風の精霊達の声が聞こえて来ます。この嵐は、自分達が起こしてるんじゃないって
高山紗代子
嵐なのに、風の精霊力に拠るものじゃないって……どういう事?
高山紗代子
《百合子》専門外なので、自信があまり無いですけど……水の精霊力と、冥い波動を感じます。
馬場このみ
……まあ想像はしていたけど、異変の原因は海底に在りそうね。乗り込むしかないわよ。
馬場このみ
薬品を撒くんじゃなくて、霊薬を飲むってことね。お城の倉庫から持ち出しといて正解ね。
百瀬莉緒
あら、オシャレな小瓶ねぇ。皇帝陛下、新作の香水ですか?
馬場このみ
そうそう、リゾート地に来たんだから、おめかししないと……
馬場このみ
そうそう、リゾート地に来たんだから、おめかししないと……そんな訳ないでしょ!
馬場このみ
先帝達が入手した『人魚薬』。飲めば水中で息ができるし、陸上と同様に戦えるわ。
馬場このみ
《のり子》よかったぁ。あたしの鎧重たいから、絶対泳げないって思ったからさあ。
馬場このみ
《百合子》あの、翼がある私が使っても、効果は大丈夫なんでしょうか……?
馬場このみ
まあそこは、ぶっつけ本番になるのを許してね。問題無いとは思うけど。
百瀬莉緒
でも皇帝陛下。『人魚薬』ってまだ残っていたのですね。ほら、前に酒場で吟遊詩人が歌ってた詩。
百瀬莉緒
皇帝の供で海の国に行った兵士が、娘と契りを結び、倉庫から薬を盗んで海に消えたって……
百瀬莉緒
《百合子》そんなラブロマンスが有ったんですか……その詩、私も聴いてみたかったなあ。
馬場このみ
あー、夢を壊して申し訳ないけど。私が引継いでる記憶の中にそんな事件は無かったわよ。
馬場このみ
それに、無断使用されたり盗まれたりしてないからこそ、今こうして『人魚薬』を使えるんだし。
馬場このみ
《百合子》……詩人達の創作なんですね。残念なような、一安心したような……
馬場このみ
それじゃそろそろ、海底探索と悪の討伐に行くわよ!準備はいい!?
馬場このみ
『人魚薬』は一旦陸に上がると効果が消えるわ。薬の残量からして、引き返して再突入はできない。
高山紗代子
勿論です!覚悟、決まってます!南ロンギットと帝国全土のため、全てを懸けて立ち向かいます!
百瀬莉緒
紗代子ちゃんは真面目すぎるのよね〜。カタくなりすぎると、本番が上手くいかなくなるのよ。
百瀬莉緒
こういう時は、帰ってきたらトバの街で美味しいもの食べる打ち上げしましょう!位でいいのよ。
高山紗代子
もう……規則の緩いフリーファイターとはいえ、莉緒さんは緩みすぎです。
馬場このみ
(……莉緒ちゃんなりの、私への励ましかしら。お礼の席なら、皇帝も気ままに騒げそうよね。)
馬場このみ
【潜行〜探索中】
馬場このみ
……嵐の中心に、沈没船があるってのは想定してなかったわ。水棲モンスターばかりじゃないのね。
高山紗代子
でも、陛下の『清めの火(セイントファイヤ)』の術で、かなり救われましたね。
百瀬莉緒
紗代子ちゃんは熱血しすぎよ……腐った床を全力で叩いて『地裂撃』って。下手したら自爆よ。
馬場このみ
まあ、戦いぶりで有る意味怖かったのは、百合子ちゃんだけどね。
馬場このみ
「許してください、『影矢』です……」とか。「ごめんなさい、『皆死ね矢』です。」とか。
馬場このみ
《百合子》すみません……負けるのが怖くて、初手で自分の最高技を出してました。
百瀬莉緒
《のり子》ちょっとみんな!!今戦闘中なんだけど!なんであたししか剣を構えてないの!?
百瀬莉緒
《のり子》莉緒さん!この『無無剣』って技、最悪に遣いにくいんだけど!普通に戦っていい!?
百瀬莉緒
駄目よ。ボスはその亡霊ひとりきりなんだから。のり子ちゃん独りで充分の筈よ。
百瀬莉緒
邪心を払い無心となり、同じく無心となろうとする敵を斬る……心眼こそ、『無無剣』の教えよ!
百瀬莉緒
《のり子》……やっと命中したよ。ちょっと両手剣に、自信ついたかも!!
百瀬莉緒
はい、お疲れ様!それじゃ亡霊どもも打ち払ったし、私達も街に戻って打ち上げにしましょ?
馬場このみ
莉緒ちゃん、そうは問屋が卸さないみたいね……巨大な影が、こっちに向かって来るみたいよ。
(台詞数: 49)