如月千早
…ごめんなさいジュリア
ジュリア
気にすんなよ
如月千早
でも、桃子、どこかに行ったみたいだし…
ジュリア
階段上がる音したから、多分屋上だろ。一人でどっか行くような奴じゃないよ
如月千早
ならいいのだけれどでも
高木社長
周防君、怒っていたねぇ
ジュリア
あ、社長
如月千早
すみません、お騒がせしてしまって
高木社長
いや、いいんだよ
高木社長
それよりも、周防君のこと、君たちはどのくらい知っているのかね?
ジュリア
モモのことか…
ジュリア
あんまり話してくれないんだよ、今でもぼかしてばっかりで
高木社長
ふむ、そうか…
ジュリア
社長はなにか知ってる?
高木社長
ああ、周防君のご両親からだいたいのいきさつはね
ジュリア
知ってたなら教えてくれよ
高木社長
すまないね、ご両親から言わないように止められていたんだが…
高木社長
この際、話してしまうのもいいのかもしれないね
高木社長
ジュリア君には特に
高木社長
君も、似たようなものだからね
ジュリア
…?
高木社長
周防君が、過去に子役だったことは知っているね?
ジュリア
ああ、すごい人気だったんだろ?
如月千早
現場でもよく聞きます、天才子役だった、と
高木社長
うむ、だが、ある日、突然体調を崩してしまってね、その日に入っていた仕事はキャンセル
高木社長
その日は特に大切な仕事が入っていてね、今後の仕事を左右するといっても過言ではなかったらしい
高木社長
その仕事をキャンセルしてしまったんだ
ジュリア
それ、親はどう思ってたんだ?
高木社長
そのことなんだかね
高木社長
母親はサポートしていたんだが、父親は反対していたらしいんだ
高木社長
芸能活動自体、桃子君が自分でやりたい、といった訳ではなかったらしい
高木社長
仕事のせいで体調を崩したんだ、当然父親は仕事を辞めるように迫った
高木社長
母親は、周防君の才能を埋もれさせる訳にはいくまいと、仕事を続けさせようとした
高木社長
そこからだよ、周防君の仕事に対する姿勢が変わったのは
高木社長
周防君は、自分のせいでご両親の仲が悪くなったと思い込んでしまってね
高木社長
しかし、話はキチンと済んでいるんだ
高木社長
今後芸能活動をするにせよ、普段の生活のうえでも、周防君のやりたいことをやらせようとね
高木社長
しかし…周防君は、2人を少し遠ざけようとしている
高木社長
怖い、と思っているんだろうね
高木社長
話はできずじまい、時間だけが経ってしまい、今に至るという訳だ
ジュリア
…モモ、やっぱり家族とちゃんと話すべきだ
ジュリア
このままじゃ、ずっと勘違いのままだ…
高木社長
…そうだね
高木社長
でも、ジュリア君。君も、同じようなものだろう?
ジュリア
……
高木社長
君も、その時が来たんじゃないのかい?
高木社長
…周防君の問題が終わったらでもいい、少しだけ、電話でもいい
高木社長
家族と、話した方がいいね
ジュリア
…うん
(台詞数: 49)