高山紗代子
この前、雑誌で読んだことがある。
高山紗代子
曰く、ネックレスや指輪、腕時計といった装飾品は、ファッションではあるが、
高山紗代子
その人にとっての、お守りなんだ、と。
高山紗代子
身に付けることで心の安定を図る、おまじないのようなものなんだそうだ。
高山紗代子
…今日も私は、眼鏡を外して袖で出番を待っている。
高山紗代子
いつもと同じ待ち時間なのに、その話題が急に思い出されて、不安になる。
高山紗代子
…駄目だ紗代子、不安になんか押し潰されるな。いつものように気合いで乗りきるんだ。
高山紗代子
そう胸に言い聞かせても、お守りのない私は臆病風に吹かれてしまった。
高山紗代子
…やっぱり、私はお守りに頼る、弱い子、なのかな…。
高山紗代子
─紗代子、頑張って!!
高山紗代子
ふと、記憶の底から力強い声が私を突き上げた。
高山紗代子
…そうだ、私は私だけの力で頑張れてるんじゃない。
高山紗代子
あの子との、約束だから…!!
高山紗代子
…不思議だな、ふつふつと、めらめらと、やってやろうと情熱が湧いてくる。
高山紗代子
そうだ、私は眼鏡を盾に、お守り代わりに頑張ってたんじゃない。
高山紗代子
いつだって、私を見守ってくれるあの子が、いるじゃないか。
高山紗代子
………よしっ!!
高山紗代子
と、突然背中を容赦のない張り手が襲った。
高山紗代子
うわあっ!?の、のり子さん!?
高山紗代子
どうやら、袖で立ち尽くしていた私を見かねて、いつもの気合い注入をしてくれたようだ。
高山紗代子
…ありがとうございます。大丈夫です、のり子さん。
高山紗代子
不安も気弱も、眼鏡と一緒に置いてきましたから!!
高山紗代子
のり子さんは、いつもと変わらぬ笑顔でサムズアップしてみせた。
高山紗代子
そうだ、私は大丈夫。あの子の存在だけじゃない…。
高山紗代子
私にはたくさんのお守りが…みんなが、ここにいるんだから!!
高山紗代子
…可憐のソロステージが終わったようだ。次は私の番。
高山紗代子
…可憐、お疲れ様!!
高山紗代子
…よーしっ!!高山紗代子、気合い根性、全開で頑張るぞ~っ!!
(台詞数: 28)