松田亜利沙
──ポケモンアイランド沖、船上。
松田亜利沙
虹の雲での戦いを終えて2日後、ありさ達は島での調査を終え、帰りの船に乗っていました。
松田亜利沙
ミュウちゃんの撮影の後、研究所に戻ったありさはそこであったことを全て、博士に話しました。
高木社長
「ふむ…黒井社長が帰ってきて急に引き上げたと思ったら、そんなことがあったのじゃな」
松田亜利沙
詳しく話を聞くと、黒井社長は『何故私はこんな島に居るのだ!』と言いながら、
松田亜利沙
部下を引き連れて去って行ったそうです。ミュウちゃん、記憶操作とかしたんでしょうか…?
高木社長
「それにしても、まさか幻のポケモン、ミュウがいたとはのう…」
高木社長
「ミュウだけではなく、ポケモン達のために、早くこの島から去った方がいいじゃろうな」
松田亜利沙
この島にミュウちゃんがいる事を伝えた所、オーキド博士はそのような決断をしました。
松田亜利沙
…と言うことで、ありさ達は早々に島から引き上げたのでした。
松田亜利沙
これは余談ですが、ミュウちゃんの記憶を失った黒井社長は、依然と特に変わりないそうです。
松田亜利沙
…アイドルデビューするなんて噂が流れましたが、きっと風の噂でしょう。そうであって下さい。
松田亜利沙
─────────。
松田亜利沙
船内というのは、思った以上に暇な時間が多いです。
松田亜利沙
ふと、船員を手伝っているポケモンちゃんを撮影して回るのも良いかもしれない、なんて考えます。
松田亜利沙
どうせ手持ち無沙汰だったんですから、少し見て回ってみましょうか♪
松田亜利沙
「そうと決まったら、早速行ってみましょう!カメラカメラ…♪」
松田亜利沙
ありさの荷物をたぐり寄せて、鞄の口を開きます。
松田亜利沙
ピョコン、と鞄の口から飛び出した一対の耳。黄色い毛並みがチャーミングです。
松田亜利沙
「えーっと…何ですか、これは。いや、分かっているんですけど…」
松田亜利沙
鞄に手を突っ込んで、その荷物を引っ張り出します。
松田亜利沙
島でお世話になったピカチュウちゃんが、『ピカ!』と元気にご挨拶です。
松田亜利沙
…………。
松田亜利沙
「な、何でついてきてるんですか~!?野生の子だから島に置いてきたのに!!」
松田亜利沙
「確かに、今日は朝から姿を見ませんでしたけど!!」
松田亜利沙
…いや、ピカチュウちゃんと離れるのは嫌でしたけど。
松田亜利沙
島のポケモンちゃんは連れて帰らないって、博士と約束してたから…。
松田亜利沙
島の沖に出てしまった以上、帰すことは出来ないですし…。
松田亜利沙
「博士にバレちゃったらどうしましょう…。いや、知らせないとダメなんですけど…」
高木社長
「大きな声が聞こえたが、何かあったのかね?亜利沙君?」
松田亜利沙
ぴゃあ!?
松田亜利沙
びっくりして振り向くと扉の外に、オーキド博士の姿がありました。
松田亜利沙
『ピカ!』と、ピカチュウちゃんは元気よくオーキド博士に挨拶します。
松田亜利沙
「あ、あのあのあの!こ、これはですね!?」
松田亜利沙
何を言えば良いのかわからず、ありさの口からはあわあわと言葉にならない言葉ばかり出てきます。
松田亜利沙
そんな様子のありさを見て、オーキド博士は。
高木社長
「ふむ…これは随分精巧なぬいぐるみじゃのう。たいせつにするんじゃぞ?」
松田亜利沙
ピカチュウちゃんの頭をぽんぽんと撫でて、ニカッと笑いました。
松田亜利沙
「えっと…博士?」
高木社長
「亜利沙君の側に居るのは、あくまでぬいぐるみじゃよ。このワシが言うんじゃからな」
松田亜利沙
それだけ言うと、博士は部屋の外へと去って行きました。
松田亜利沙
…見逃してくれた、と言うことでしょうか。つまり…?
松田亜利沙
「ピカチュウちゃんとずっと一緒にいられるって事ですよね…?」
松田亜利沙
「あの…ピカチュウちゃんはありさのパートナーになってくれますか?」
松田亜利沙
問いかけると、ピカチュウちゃんは不思議そうにありさを見上げていましたが…。
松田亜利沙
小さな手をあげて、にっこり笑顔で返事をしてくれました。
松田亜利沙
「ありがとうございます~!ピカチュウちゃん、ずっと一緒ですよ♪」
松田亜利沙
ありさの胸にこみ上げてくる物があって、思わずピカチュウちゃんを抱きしめました!
松田亜利沙
──────────。
松田亜利沙
──こうして、オーキド博士の助手のお仕事は終わりを迎えたのでした。
(台詞数: 50)