松田亜利沙
──サンダーちゃんのドリルくちばしがありさに刺さらんとしています。
松田亜利沙
この位置だと、心臓を狙っているのでしょう。お世辞でもたわわとは言えないありさでは間違いなく
松田亜利沙
貫通してしまうでしょう。恐怖でギュッと目を瞑ってしまいます。
松田亜利沙
風圧が迫ります。このまま、サンダーちゃんの嘴が突き刺さって来るのでしょう…。
松田亜利沙
……。
松田亜利沙
……こない?
松田亜利沙
おそるおそる目を開きます。ありさの視界に飛び込んできたのは。
松田亜利沙
サンダーちゃんの嘴に植物のツタが巻き付き、動きが止まっている姿でした。
松田亜利沙
ありさは、動きを止めているツタに見覚えがあります。このツタは…。
松田亜利沙
「ウツボット…ちゃん?」
松田亜利沙
ウツボットちゃんがサンダーちゃんの動きを止めて、ありさを守ってくれていました。
松田亜利沙
「もしかして、洞窟のウツボットちゃん?何で…ありさを?」
松田亜利沙
理由はよく分かりません。でも、この子はありさの味方みたいです。
松田亜利沙
その時、冷気を感じました。サンダーちゃんに気をとられて、フリーザーちゃんを忘れてました!
松田亜利沙
「ウツボットちゃん、避けて!冷凍ビームが来ます!!」
松田亜利沙
声を掛けるも遅く、フリーザーちゃんが冷凍ビームを放ちます。狙いはウツボットちゃん…。
松田亜利沙
声を掛けるも遅く、フリーザーちゃんが冷凍ビームを放つ前に、炎がウツボットちゃんを守ります。
松田亜利沙
同時に、バサバサと羽ばたく音。一対の翼を持った、オレンジ色の巨躯が降りてきました。
松田亜利沙
「リザードンちゃんまで…?」
松田亜利沙
きっと、火山で溶岩に突き落としたリザードンちゃんです。ありさが進化させてしまった子達。
松田亜利沙
この二匹が助けに来てくれた理由は本当に分かりませんが、頼りになる助っ人が来てくれました!
松田亜利沙
「ウツボットちゃん、リザードンちゃん、ありさ達を手伝って下さい!!」
松田亜利沙
ありさの願いに、それぞれが頷いて了承してくれます。
松田亜利沙
黒井社長を追いかけるために、二匹の足止めをして下さい!!
松田亜利沙
──────────。
松田亜利沙
「ウツボットちゃん、日本晴れでリザードンちゃんのサポートです!リザードンちゃんは大文字!」
松田亜利沙
「あの構えは放電!?二人とも避けて!!あっ、フリーザーちゃんが氷のつぶてを!?」
松田亜利沙
慣れないながらも何とか指示を出して、二匹と対峙します。
松田亜利沙
たぶん、この子達はありさが指示を出さなくても上手く立ち回ってくれると思いますけど。
松田亜利沙
ありさはありさで、隙を見て黒井社長を追いかけようとするのですが…。
松田亜利沙
「ふ、フリーザーちゃんがこっちを見てます…」
松田亜利沙
サンダーちゃんとフリーザーちゃんのどちらかが、ありさを進ませようとしません。
松田亜利沙
無理に進もうものならば、氷付けか感電のどちらかの未来しか見えません…。
松田亜利沙
せめて、もう一匹ポケモンちゃんが居てくれたら先に進めるんですけど…。
松田亜利沙
ピカチュウちゃんがいますが、この子は黒井社長を止めるために必要だとありさの勘が告げてます。
松田亜利沙
「…これではジリ貧ですね。リザードンちゃん達が疲弊するばかりです」
松田亜利沙
リザードンちゃん達が疲弊してしまうと、今以上に黒井社長にたどり着くのが困難になります。
松田亜利沙
「…強行突破しか…ありませんね。最悪、腕か足が持って行かれる覚悟です」
松田亜利沙
サンダーちゃんかフリーザーちゃん、どちらかの攻撃を受けたら無事ではないでしょう。
松田亜利沙
それでも、あの虹色の雲の中にいるポケモンちゃんのためなら進みます!
松田亜利沙
そうと決まれば、まずはゼロワン号まで向かいましょう。フリーザーちゃんが見ていますが…。
松田亜利沙
気にしていられません!ありさは駆け出します!
松田亜利沙
フリーザーちゃんはありさを止めるために冷凍ビームの構えをとります。
松田亜利沙
冷凍ビームのチャージが終わり、ありさに狙いを定め…。
松田亜利沙
…冷凍ビームが放たれることはありませんでした。何かがフリーザーちゃんを押さえつけています。
松田亜利沙
ゼロワン号をフルスロットルにしながら、その正体を確認します。そこにいたのは…。
松田亜利沙
もう一匹の伝説の鳥ポケモン、ファイヤーちゃんでした。先に行くよう、視線が語っています。
松田亜利沙
ファイヤーちゃんが来たことで、パワーバランスは一気にこちらに傾きました。
松田亜利沙
ここはきっと大丈夫でしょう。ゼロワン号を飛行形態にして、飛び立ちます。
松田亜利沙
いざ、虹色の雲へ!!黒井社長は絶対に止めて見せます!!
(台詞数: 50)