松田亜利沙
……いやー、オフを利用して風花さんのお仕事現場に来てよかったです。
松田亜利沙
ただ滑るだけじゃなくて、凝ったお衣装まで着てくれるなんて……!しっかり写真に収めないと!
豊川風花
……
松田亜利沙
わわっ!ティアラまでつけて、すごく本格的じゃないですか!
松田亜利沙
……
松田亜利沙
…………
豊川風花
あら。亜利沙ちゃん、来てくれてたの?今日はお休みだったんじゃ。
松田亜利沙
いえいえ、アイドルちゃんの晴れ舞台あるところ、ありさありです。これ、差し入れです。
豊川風花
あったかいコーヒーね、嬉しいわ。リンクはどうしても、体が冷えちゃうから……
松田亜利沙
風花さん、あんなに滑れるんですね。ありさのデータベースには、運動は苦手ってあるのに……
豊川風花
そんなでもないわよ。難易度の低い方の2回転ジャンプと、短めのステップくらいよ。
豊川風花
簡単なスピンもできそうだったけど……えっちな写真を撮られそうだから、止めておいたの。
松田亜利沙
なんだかありさ、風花さんに置いていかれた感じです。同じ、運動できない仲間だと思ってたのに。
豊川風花
いえ、運動が苦手なのはその通りなのよ。フィギュアだけは、少しできるだけで……
豊川風花
昔ね、フィギュアを少し習ってたことがあったの。お衣装も懐かしかったわ。
松田亜利沙
なんで!なんでそんなプレシャスなことを教えてくれなかったんですか!観にいきたかったのに。
豊川風花
いやだから、習ってたのは小学生の時くらいよ。さすがに十年くらい前だし……
松田亜利沙
す、すみません、つい取り乱しちゃって。
松田亜利沙
でもなんで、フィギュア止めちゃったんですか?ブランクあってもあれだけ滑れるくらいなのに……
豊川風花
ええと……だから……
松田亜利沙
教えてくださいよ〜、出し惜しみなんてしないで。
豊川風花
胸が大きくなったから、スピンもジャンプもやり辛くなったの!思いっきりやると、痛かったし!
松田亜利沙
風花さん、そんな声を荒げると、ちょっと怖いです。
豊川風花
ごめんなさいね、亜利沙ちゃん。いろいろ思い出しちゃって……
豊川風花
私と同い年くらいの子や、ちょっとお姉さんくらいの世代は、フィギュアが盛り上がってたから……
豊川風花
私も挑戦してたんだけどね。途中で止めちゃって、後悔もあったのよ。
豊川風花
やりたい事が有ったのに、成功も失敗も得られないまま終わるのが、一番中途半端なのよね。
豊川風花
……アイドルへの憧れも同じでね。いったんは普通に就職して、諦めちゃったことだけど、
豊川風花
いまこうして、憧れていたことが出来るのは、すごく素敵なことだと思うわ。
豊川風花
えっちなお仕事はちょっと困るけど、フィギュアのことまでさせてもらえるなんて、感謝してるの。
松田亜利沙
風花さん、ありさもその気持ち、ちょっと分かる気もします。
豊川風花
そうだ、亜利沙ちゃん、今日はお休みなのよね。私もこの後オフだから……
豊川風花
せっかくだから、スケート教えてあげるわ。着替えてくるから待っててね。
松田亜利沙
……へ?
松田亜利沙
いや、ありさが「分かる」と言ったのはアイドルちゃんへの憧れで、フィギュアのことじゃ……
豊川風花
遠慮しないの!私これでも、県の大会では入賞したことあるのよ。任せてちょうだい!
松田亜利沙
ひえー!ありさ、アイドル界一の「手すり磨き職人」なんです〜。観る専門なんです〜。
(台詞数: 37)