頂(いただき)に佇むシーシュポス。
BGM
Up!10sion♪Pleeeeeeeeease!
脚本家
イッパイアッテサ
投稿日時
2015-02-21 16:40:33

脚本家コメント
もしも、亜利沙がアイドルのトップに立ったとしたら……
そんな世界で作られた、ドキュメンタリー番組を想像して、ドラマを書きました。
……お察しの方もいらっしゃるかもしれませんが、
今回のドラマは続編というか、第二弾を書く予定でいます。

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松田亜利沙
【ナレーション】アイドル、それは……
松田亜利沙
【ナレーション】アイドル、それは……理想形である『アイドル』を、頂へ転がし運ぶようなもの。
松田亜利沙
【ナレーション】理想の姿は大きくなければならないが、ゆえに運ぶのは辛く、挫折する者は多い。
松田亜利沙
【ナレーション】ひとたび頂点に立っても、あるいはころげ落ち、あるいは押し退けられられる。
松田亜利沙
【ナレーション】華やかさの裏に過酷さを秘めるアイドル界。いまその頂点に立つのが、彼女だ。
松田亜利沙
『大人も子供もアイドルちゃんも、楽しいことが正義です!』
松田亜利沙
【ナレーション】幼稚園児と遊ぶ彼女のCMは大反響を呼び、現在のトイカメラブームを生んだ。
松田亜利沙
【ナレーション】また、昨年の流行語大賞『レスイーツ』は……
松田亜利沙
「ありさ、ファミレスでデザートを食べるのが至福のひと時なんです!最近ハマったのは……」
松田亜利沙
【ナレーション】彼女のテレビでの発言に、ファミレスのみならず外食業界が反応した結果である。
松田亜利沙
……
松田亜利沙
【ナレーション】幅広く活動する彼女であるが、ベースとなるのは劇場公演だ。
松田亜利沙
「今日も楽しんでいきますよ!アイドルちゃんの楽しさが、ファンの皆さんに伝わるんです!」
松田亜利沙
【ナレーション】公演前の声出しの音頭は、すっかり彼女の役割になっている。
松田亜利沙
【ナレーション】多くの先輩や同期と、劇場立ち上げ期の辛さを乗り越えて来た彼女。
松田亜利沙
「アイドルちゃんをやっていけることは、本当に幸せで恵まれてることだと思うんです。」
松田亜利沙
「沢山の子が挫折しちゃうし、家庭の事情とかで門をくぐることもできない子もいます。」
松田亜利沙
「ありさは、自分に才能が有るとは思ってません。でも、アイドルちゃんである以上……」
松田亜利沙
「舞台に立つことが叶わないこの分まで、パフォーマンスを高めないといけないと考えてます!」
松田亜利沙
「……でも、アイドルちゃんの世界は不思議なんです。気負いすぎると、それが滲み出ちゃって。」
松田亜利沙
「ファンの皆さんが楽しめないです。だから、練習で完璧以上にして、本番は楽しむんですよ。」
松田亜利沙
【ナレーション】何年も劇場公演をして、辿り着いた境地。松田亜利沙の美学である。
松田亜利沙
【ナレーション】アイドル業界から去った先輩達から受け継ぎ、今は亜利沙が後輩に伝えている。
松田亜利沙
……
松田亜利沙
「それでは今週も始めましょう!『ありさのアイドルch@ngネル!』。今週のお客さんは……」
松田亜利沙
【ナレーション】彼女のライフワークとなりつつあるのが、このアイドル紹介番組だ。
松田亜利沙
【ナレーション】自分のライバル、あるいは他の事務所の新人アイドルを招き……
松田亜利沙
【ナレーション】その魅力を存分に引き出し発信している。敵に塩どころか兵糧そのものを送る。
松田亜利沙
「アイドルちゃん業界は、ありさ達の事務所だけでは最大限の盛り上がりを作れないんです!」
松田亜利沙
「沢山の魅力的なアイドルちゃんが居る。誰かをきっかけに、別の誰かのファンになってもOK!」
松田亜利沙
【ナレーション】彼女のアイドルとしての原動力。それは彼女自身の、無類のアイドル好き。
松田亜利沙
【ナレーション】2010年代に『会いにいけるアイドル』が大きな流れになったが……
松田亜利沙
【ナレーション】松田亜利沙の真骨頂は、『会いに行っちゃうアイドル』であることだ。
松田亜利沙
【ナレーション】純然なる「好き」という思いから、他所の事務所のアイドルと交流を深め……
松田亜利沙
【ナレーション】今では、事務所の壁を越えたテレビ番組やライブが実現している。
松田亜利沙
【ナレーション】彼女はもはや、トップアイドルではない。アイドル業界そのものの女王だ。
松田亜利沙
【ナレーション】それも、専制君主ではなく、平和で革新的な世界のシンボルとしての、女王。
松田亜利沙
……
松田亜利沙
【ナレーション】アイドルの成功。それはCDの売り上げやファンクラブ加入者数……
松田亜利沙
【ナレーション】届いたチョコの数、海外進出の成功、幸せな結婚……という基準で語られた。
松田亜利沙
【ナレーション】松田亜利沙は、そういう意味での『成功者』ではないのかもしれない。
松田亜利沙
【ナレーション】ただ、今までのアイドルが成し得なかったことをしている。それが事実だ。
松田亜利沙
「ありさは、アイドルちゃんで在り続けますよ!アイドルちゃんと、ファンの皆さんが居る限り!」
松田亜利沙
【ナレーション】力強く語る彼女。今日は新曲のレコーディングだ。
松田亜利沙
【ナレーション】その歌は、きっと私達を導くラッパのように、世界に流れることだろう。
松田亜利沙
「自分語りは恥ずかしいですね〜。やっぱりありさは、パフォーマンスを観てほしいです。」
松田亜利沙
……【番組エンドテーマ】

(台詞数: 47)