周防桃子
さて、着いたよ。お待たせ、海美さん!
高坂海美
おっ、きたきた♪ 育りん! ももちん! 待ってたよ!
中谷育
ねえ、聞いてよ海美さん! わたし、カナズミシティのジムリーダーに勝ったんだよ!
高坂海美
おぉ～! あのやり手の雪歩さんを相手に……おめでとう! すごいね、育りん!
周防桃子
それじゃ、桃子たちはこの先のムロタウンまで行くから、その船に乗せてくれる?
高坂海美
もちろんだよ! そういう約束だからね! さあ乗って乗って!
中谷育
えっと、それじゃ……お邪魔します。
高坂海美
あ、そうそう、船に乗る時にうっかり落ちないようにね。
中谷育
うん、わかった。……乗ったよ、海美さん!
周防桃子
……さてと、それじゃ桃子も……っと。
高坂海美
それじゃ、出発するよ! 一応薬は置いてあるけど、船酔いには気を付けてね!
周防桃子
初乗りの育は特に、ね♪
中谷育
むっ。桃子ちゃんこそ、先にダウンしないでよね!
高坂海美
あははは! それだけ元気があれば大丈夫そうだね! それじゃ、出発しんこー!《ブロロロロ…》
中谷育
わっ、動いた! これが、船……?
周防桃子
といっても小型の漁船だけどね。揺れが強いから酔いと転倒には注意してね。
中谷育
わあ、きれい! あっちこっちに小さい島が見えるね!
周防桃子
(桃子の話聞いてないし……。まあでも、育が楽しそうならそれでいいかな。)
中谷育
ムロタウンかー……。あそこにもポケモンジムってあるのかな?
周防桃子
うん、あるよ。そのためにも海美さんにお願いして連れていってもらってるわけだし。
中谷育
へえ、そうなんだ! 早く次のバトルやりたいなー♪
周防桃子
………………………。
中谷育
……ねえ、桃子ちゃん。雪歩さんとのバトルが終わった後から時々考え込んでるけど、どうしたの?
周防桃子
………育、一つ聞いていい?
中谷育
え? あ、うん……。
周防桃子
今までの戦いぶりを見てきたけど、どうしても気になる点があってね……、
中谷育
気になる、てん……?
周防桃子
さっきカナズミジムで、“桃子ちゃんと一緒なら”って言ったよね?
周防桃子
もしかして育、桃子に頼りきってない? 主に精神的な部分で。
中谷育
《ピクッ》そ、そんなことないよ! 育は一人でも大丈夫だよ!
周防桃子
(今、明らかに一瞬動揺したよね……。とりあえず、半分くらいは確定かな。)
周防桃子
じゃあもし、桃子がそばにいなかったら育は一人になっちゃうけど、それでも戦える?
中谷育
大丈夫だって! 桃子ちゃんは心配性だよ、もう……。
周防桃子
そっか、ならいいんだけどね。
周防桃子
(……と言ってみたけど、実際このままでいいわけないよね。ムロタウンには確か……。)
高坂海美
あっ、見て見て2人とも! あれが“こじまのよこあな”だよ!
中谷育
よこあな……? 今見えた部分には穴なんてなかったけど……。
高坂海美
そうそう、実はさ、どこにも穴なんて空いてないんだよね。……ももちん、何か知ってる?
周防桃子
……さあ? 桃子は遺跡の方は専門外だし。
中谷育
よのなか、不思議なこともいっぱいあるんだね……。世界って広いんだね!
高坂海美
そろそろムロタウンに着くよ! 2人とも、降りる準備は出来てる?
中谷育
うん! わたしはいつでもオッケーだよ!
周防桃子
桃子も準備完了だよ。あ、そうそう。海美さん、ちょっとお願いがあるんだけど……。
高坂海美
うん? なに、ももちん?
周防桃子
ムロタウンに着いたら、停泊所じゃなくてそこの砂浜で降ろしてくれる?
高坂海美
え? いいけど……。どっか行きたいところでもあるの?
周防桃子
うん、ちょっとね。下船用の板もこの船にあるよね?
高坂海美
うん、あるよ。今砂浜に着いたから、下船用の板を掛けてくるね。
中谷育
桃子ちゃん、急にどうしたの……?
周防桃子
……ちょっと確かめたいことがあってね。育、ジムの前に“いしのどうくつ”へ寄り道するよ。
(台詞数: 50)