
高坂海美
「〜〜〜〜〜〜〜ッ!」

高坂海美
傾き始めた夕焼けを見つめながら私は逆手に組んだ指を前に出し、ひとつ伸びをした。

高坂海美
ちょっと前までのお祭り騒ぎがまるで嘘だったように撤収作業の済んだ砂浜は穏やかに波打って

高坂海美
「終わっちゃったかー」

高坂海美
「終わっちゃったかー」 まだ日中の火照りが残っている肌を浜風が優しくなでる

高坂海美
後ろに感じる、こちらに向かって砂を踏み締める音。この足音は...

高坂海美
「プロデューサー!お疲れ様ー☆」

高坂海美
2人分のスポーツドリンクを持った彼が砂に足を取られつつ歩いて来る、革靴なんて履くから

高坂海美
「イベントのビーチバレー大会、とっても楽しかったよ!いや~どこのチームも手強かったね!」

高坂海美
「このみちゃんや莉緒ねぇは、大人ならではのしたたかさがあってやりにくかったし……」

高坂海美
他愛もないイベントの感想、なのにプロデューサーはいつも楽しそうに聞いてくれる。

高坂海美
ー「忘れちゃいけないのは私のペアだったゆりりん!あのレシーブには何度もピンチを救われたよ〜

高坂海美
「際どい所をゆりりんが拾ってくれてかーらーのー..スパイク!..カッコよかった?あはは♪」

高坂海美
不意に

高坂海美
不意に ーーーーカッコ良かったぞ

高坂海美
頭にポンと置かれた掌から彼の熱がじんわりと伝わって来る

高坂海美
「ーーーーーーーッ//////」

高坂海美
こういう事をサラッとして来るからこの人はズルい、本人は労ってるだけのつもりかも知れないけど

高坂海美
(こっちは心臓バクバクだよぉ)

高坂海美
さっきよりも潮騒が大きくなってきた様だ。もうすぐ満潮、この辺りにも波が押し寄せてくるだろう

高坂海美
全力で駆け抜けた砂浜のコートもみずきんとロコロコ、亜美真美が作った砂の要塞「ザイガス」も

高坂海美
皆、波に消されてしまうのかと思うとなんだか、少し虚しい。

高坂海美
最後に何か思い出になる事が出来れば...ふと思い立ち夕日の熱を背中に感じながら彼に向き直る

高坂海美
「……あ、でも、一つだけ不満を言っていいかな?」

高坂海美
今回イベントのお陰で全然海で遊べ無かったから今から少しだけ遊んで良い?

高坂海美
と、集合時間に遅れない様呼びに来てくれたであろう彼に我ながら子供っぽいワガママを言ってみる

高坂海美
これで少なくとも私が岸に上がるまではプロデューサーと二人きりこれ位の役得あっても良いハズだ

高坂海美
「見て見てプロデューサー!ヒトデ見つけたよー☆次はナマコ見つけてくるから待っ.....」

高坂海美
「……え、もうそんな時間なの?」

高坂海美
「そんな~、私、全然遊び足んないよー!ねえ、もうちょっとだけ……もうちょっとだけ!」

高坂海美
せがむ私に取り付く島も与えず首を横に振る彼にけち、と口をとがらせてみる

高坂海美
いつからだろう、貴方の事を考えると胸の奥がギュッっと締めつけられる様になったのは

高坂海美
逆光が目に入り眩しそうにしながらもタオルとサンダルを持って来るプロデューサー。

高坂海美
今、彼に水をかけてみたらどんな反応をするのかな?

高坂海美
昔、何かのドラマで観た様な海辺のカップルがしていた遊びが脳裏をよぎりティンと悪戯心が働く

高坂海美
「え~い!…

高坂海美
「え~い!…あははっ♪どう?プロデューサー、ビックリした?」

高坂海美
「ふふ~ん☆悔しかったらやり返してもいいよ!」

高坂海美
「だから、

高坂海美
「だから、 今がずっと続けば良いなんて思いはしないけれど

高坂海美
「だから、今度は」

高坂海美
「だから、今度は」 せめてもう少し、あと少しだけこのままで...

高坂海美
私が沈み始めた西日を背にする様に気をつけているのは、

高坂海美
私が沈み始めた西日を背にする様に気をつけているのは、夕焼けに負けないくらい紅くなった頬を

高坂海美
「一緒に遊ぼ!」

高坂海美
「一緒に遊ぼ!」 貴方に、隠したかったから
(台詞数: 46)