中谷育
……えっと、たしかここが“海の科学博物館”……だったかな?
周防桃子
……なんだ、育も来てたんだ。桃子がこっそり1人で解決しようと思ってたのに……。
中谷育
あっ、桃子ちゃん! やっぱり聞いてたんだね、あのウワサ。
周防桃子
まぁね。黒ずくめの集団が一つの施設に大挙して押し寄せたなんて怪しまない方がおかしいでしょ?
中谷育
とりあえず、いってみよっか。何か分かるかもしれないし。
周防桃子
そうだね。……えっと、券売機で子供2枚、と。はい、育の分ね。
中谷育
ありがとう桃子ちゃん! はいこれ、わたしの入場料!
周防桃子
うん、確かに。それじゃ、入ろっか。
周防桃子
【博物館 1F】
周防桃子
……さて、入ったはいいけど……。
中谷育
あっちもこっちも、黒い服の人達ばっかりだね……。
黒井社長
??「何だ、お前らも来たのか。」
中谷育
……っ! その顔、確かトウカの森で……。
黒井社長
下っ端A「ああそうだ。森でモモセの荷物を奪おうとしてお前にコテンパンにされた下っ端だよ。」
周防桃子
…で? そのザコがこんなところで何やってんの? またやる気?
黒井社長
下っ端A「ザコとはご挨拶だな。……安心しろ。今俺はお前達と戦うつもりはない。」
周防桃子
そう。それじゃ、ここで何をやろうとしてるのかだけ教えて。
黒井社長
下っ端A「生憎だがそれについては何も聞かされてないんだ。たかがいち下っ端程度の俺にはな。」
黒井社長
下っ端A「俺はただ“リーダーが来た時に道を作っておけ”と言われただけだ。」
中谷育
……リーダー?
黒井社長
下っ端A「俺達が所属する組織のトップだ。バトルも相当強い方だと聞いたことがある。」
周防桃子
ふーん……それで、貴方含めここにいる人達は全員ちゃんと入場料は払ったんだよね?
黒井社長
下っ端A「それは当然だ。後でリーダーから幹部を経由して全員立て替えてもらう予定だからな。」
中谷育
……意外だね。いかにもわるそうな感じなのにこういうところはきっちりしてるんだね。
黒井社長
下っ端A「これはリーダーの意志でもあるからな。必要のない罪は犯さねえよ。」
黒井社長
下っ端A「……そういやさっきから上が騒がしいな。何か揉め事でも起きてんのか?」
中谷育
……言われてみれば、確かに怒鳴り声が聞こえるね。桃子ちゃん、いってみよう!
周防桃子
そうだね。どの道隅々まで精査する予定だったし。じゃあ、桃子達は行くね。
黒井社長
下っ端A「気をつけろよ。……といっても、あいつらにはそんなの杞憂だよな、多分。」
中谷育
【博物館 2F】
中谷育
えっと、ここが2Fだね。それで……、
周防桃子
しっ! ……誰かいるよ。
黒井社長
下っ端B「だからさあ、そのUSBメモリをちょっと貸してくれるだけでいいんだって!」
黒井社長
下っ端C「ホラ館長さんよ! 観念してサッサと寄越せや!」
黒井社長
館長「これはお前達みたいな得体の知れない連中に渡していいものではない! 帰ってくれ!」
黒井社長
下っ端B「ハッ、そうかよ。だったら、実力行使で奪い取るしか–––––、」
中谷育
そこでなにをしているの!
黒井社長
下っ端C「……っ! チッ、見つかったか。仕方ない、2人掛かりで口封じだ!」
周防桃子
……またザコの相手をしなきゃいけないのね。育、そっちの下っ端を倒して。
中谷育
……うん、わかった。そこの人!わたしが相手だよ!
黒井社長
下っ端B「ああ、確かお前はAが言ってた子供か。だが俺はアイツとは違–––––、」
中谷育
【少女戦闘中…】
黒井社長
下っ端B「ぐっ……。子供のくせにこんなに強いなんて……!」
中谷育
お疲れさま、ワカシャモ。《パシュッ》
周防桃子
遅かったね、育。こっちはとっくに片付いてるよ。
中谷育
桃子ちゃん、もう終わったの? すごいね……。
周防桃子
口ほどにもなかったよ。……それじゃ、リーダーの正体と居場所を吐いて–––––、
黒井社長
??「……うふっ、とっくに任務が終わったかと思って来てみれば、情けないですね〜。」
黒井社長
下っ端B・C「……り、リーダー……! 申し訳ありません……!」
中谷育
……リーダー……?
(台詞数: 50)