馬場このみ
むにゃむにゃ…う……ん……ああ、もう朝か…。
馬場このみ
痛っ!?……あー…昨日はちょっと飲み過ぎたみたいね…。
中谷育
このみさん、おはよう。もしかして起こしちゃった?
馬場このみ
おはよう。ううん、自分で起きただけよ。
中谷育
良かった。ねえ、このみさん。昨夜は楽しかったね。あのお店、すっごく美味しかった!
馬場このみ
あそこ、私のお気に入りなのよ。また今度一緒に行きましょう。
中谷育
やったぁ!…それじゃあ私、朝ご飯の用意をするから、このみさんはまだ寝てていいよ。
馬場このみ
そうさせてもらうわ。飲んで寝たからか、少し寝不足で…。
中谷育
ベッドの側にお水とウコンがあるから、二日酔いが辛かったら飲んでね。
馬場このみ
……ありがとう。用意がいいのね。
馬場このみ
(育ちゃんとの同棲を始めて3ヶ月が経った。)
馬場このみ
(実家を離れて大学に通いたいものの、一人暮らしが怖い育ちゃん。)
馬場このみ
(育ちゃんの大学の近くに住んでいて、一人暮らしに寂しさを感じていた私。)
馬場このみ
(お互いの利害が一致した結果、私たちは一緒に暮らすことにした。)
馬場このみ
(同棲生活は順調。むしろ、育ちゃんが進んで家事をやってくれるので、前より快適なくらい。)
馬場このみ
(何より、家に誰かがいるという、その環境がとても嬉しかった。)
馬場このみ
(「おはよう」「おやすみ」「いってきます」「ただいま」「おかえり」)
馬場このみ
(そんな他愛の無い言葉を交わせる事が、同棲生活を始めて1番の喜びだった。)
馬場このみ
(……ただ。)
馬場このみ
はぁ…このままでいいのかしら…私。
馬場このみ
(この生活に不安もある。)
馬場このみ
(私は育ちゃんに甘えているのではないか?)
馬場このみ
(気づけば私も30代半ば。おばさんの生活に、一回り以上年下の女の子を巻き込んでいいのか?)
馬場このみ
(そんな不安がいつも頭の中にあった。)
馬場このみ
(だから、できるだけ育ちゃんにも楽しんでもらいたくて、外食等に誘うようにしている。)
馬場このみ
(昨夜もそう。楽しんでもらえて良かった。)
馬場このみ
まあ、それでこんな風にお世話されてちゃ意味がないんだけどね。
馬場このみ
駄目だわ…私。このままじゃ…。もっとしっかりしなきゃ。
中谷育
このみさーん。ご飯の用意できたよー。
馬場このみ
あ、はーい。今行くわねー。
中谷育
うん!……あ、それとね。
中谷育
部屋着と下着、ベッドの側に置いてるから、ちゃんと着てきてねー。
馬場このみ
……わかったわ。
馬場このみ
……駄目よ私!こんなんじゃ…こんなんじゃ…!
(台詞数: 34)