周防桃子
着いたよ。ここがお父さんの研究所だよ。
中谷育
わあ、すっごく広い……。それに、きれい……!
周防桃子
まあ研究所といえばこんな感じだからね。……えっと、お父さんは確か……、
高木社長
??「おお、よく無事で戻ってきたな、桃子に育ちゃん。……さっきは助けてくれてありがとう。」
中谷育
あっ! さっきポチエナにおそわれてた男の人だ! ……この人が桃子ちゃんのおとうさん?
周防桃子
そっか、育は初対面だったね。そうだよ。この人が桃子のお父さんにしてポケモン博士だよ。
高木社長
博士「初めまして、育ちゃん。私が桃子のお父さんだ。よろしくね。」
中谷育
こ、こちらこそよろしくおねがい、します……。
周防桃子
お父さんは家族以外の人には仕事以外では会わないからね。普段もずっと研究室でカンヅメだし。
高木社長
博士「おかげで母さんには“たまには帰ってきなさい”と度々文句を言われてるよ。ハッハッハ!」
周防桃子
それ全然自慢にならないからね……? それよりも早く本題に入りたいんだけど。
高木社長
博士「ああ、そうだったな。……ただ見学のために育ちゃんを連れてきた訳ではないのだろう?」
周防桃子
うん。育がね、ポケモントレーナーになりたいんだって。
高木社長
博士「ほう、ポケモントレーナーか……。これはまた、一大決心ときたね?」
高木社長
博士「育ちゃん、ポケモントレーナーの道は厳しいよ? 一筋縄……簡単にはいかないものだ。」
中谷育
………………………。
高木社長
博士「旅の途中でどんな目に遭うか分からない。それでも冒険がしたいかな?」
中谷育
………………………。
中谷育
それでも、ポケモンと一緒にもっと広い世界を見てみたい、です……!
高木社長
博士「ふむ、なるほど……。」
高木社長
博士「ふむ、なるほど……。目が据わっているね。本物の覚悟だ。よし分かった!」
中谷育
おじさん、協力してくれるの?
高木社長
博士「ああ、育ちゃんの親御さんには私からも言っておこう。本気で旅がしたいそうだと。」
中谷育
ほんと? ありがとう!……ございます。
高木社長
博士「それから君にいい物をプレゼントしよう。えーっと確か……あった! これだ。」
中谷育
これは……たんまつ? 赤くて折りたたみ式で、画面やボタンもついてて……。
高木社長
博士「これは“ポケモン図鑑”といって、ポケモンのデータを記録する端末なんだ。」
高木社長
博士「本来は空の状態なのだが、これには日本中全てのポケモンのデータが既に載っているんだ。」
周防桃子
あと、調べたいポケモンの前に向けてソナーを発射すれば自動でデータが出てくるよ。
中谷育
えっと、アチャモで試して……、ほんとだ! これおもしろいね!
高木社長
博士「そういえば私のカバンに入ってたアチャモ……今はすっかり君に懐いてるようだね。」
高木社長
博士「その子も旅のパートナーとして、私からのプレゼントとしよう。」
中谷育
やった! ありがとう! ……ございます!
周防桃子
……それと育。冒険に出る前に一つ条件があるんだけど。
中谷育
えっ、なに?
周防桃子
育の保護者として桃子も同行するけど、いいよね?
中谷育
えっと、それは……、
周防桃子
……さっきあんな危ない目に遭っておきながら、拒否なんてさせないからね?
中谷育
う、うん。わかった……。
周防桃子
お父さんも、いいよね?
高木社長
博士「ああ。桃子は優秀なポケモントレーナーだ。私が保証するよ。」
周防桃子
うん、じゃあ決まりだね。育、いこっか。
中谷育
うん! おじさん!ありがとうございます!桃子ちゃん、これからよろしくね!《タッタッタッ…》
周防桃子
じゃあお父さん、1ヶ月くらい空けるから、連絡はまた後日……、
高木社長
博士「ああ、桃子は少し待ってくれ。……頃合いを見てこれを育ちゃんに渡してほしい。」
周防桃子
………これは、ヘアゴム? それと、この赤っぽいきれいな珠は……。
高木社長
博士「お前の言うあの子がそのうち冒険に出たい、と言うのではないかと用意しておいたんだ。」
高木社長
博士「以前お前に渡したものと似たようなものだが、いずれ育ちゃんにも必要な時が来るだろう。」
高木社長
博士「それを育ちゃんに渡すタイミングは桃子に任せる。お前なら判断が出来るはずだ。」
周防桃子
…………うん、分かった。……それじゃ、行ってきます。
(台詞数: 50)