中谷育
...能力を行使して触れた瞬間、所恵美さんの記憶は蘇る
中谷育
...彼女の記憶は、わたしのメモリーの中に取り込まれながら、再生されていく
中谷育
...いままで送ってきた魂と同じように、映し出される
中谷育
...だけど、いままでとまったく一緒であるとは思えなかった
中谷育
...上手く説明することはできないけど・・・
中谷育
...きっと特別なものなんだって思う
中谷育
...どこかで見たような景色
中谷育
...どこかで体験したような思い出
中谷育
...だって、そこにはわたしがいた
中谷育
...例え、それが彼女の生涯においての一部分なのだとしても
中谷育
...それが、恵美さんの生前の記憶のものではないのだとしても
中谷育
...彼女の記憶はわたしとリンクしていた
中谷育
...まるで、欠けているわたしの記憶を縫い合わすように・・・
中谷育
...わたしの記憶に浸透していき、補完していく
中谷育
...全てが繋がったとき
中谷育
...いつの間にか、わたしは涙を流していた
中谷育
...全てが繋がったとき
中谷育
...わたしは、幼かった、生前のわたしに戻ったように・・・
中谷育
...あの日々と同じように、目の前にいる瑞樹さんを見つめていた・・・
中谷育
もうひとりの・・・
中谷育
もうひとりの、死神の・・・お姉ちゃん?
真壁瑞希
...瑞樹さんはそのままわたしと視線を合わせながら、優しく微笑んで・・・
真壁瑞希
...コクリと頷く
真壁瑞希
どうやら・・・そのようです
真壁瑞希
また、見つけてしまいましたね
真壁瑞希
私達の共通点
中谷育
死神のお姉ちゃんっ!
中谷育
あのね!あのね!!
中谷育
わたし・・・わたし・・・
中谷育
...言いたい事、伝えたい事は山ほどあるのに、上手く言葉にできない
中谷育
...あの水平線の彼方に向かって叫んだような・・・
中谷育
...そんな単純な言葉すらも喉につっかえて、出てきてくれない
中谷育
だって・・・
真壁瑞希
中谷さん・・・
中谷育
だって・・・
中谷育
所恵美さんを・・・
中谷育
死神のお姉ちゃんを追い込んだのは・・・
中谷育
消滅するきっかけをつくったのは、わたし、なんでしょ?
中谷育
わたしのせい・・・
中谷育
わたしのせいだぁ・・・うわぁああああん
真壁瑞希
ぎゅっ
中谷育
...泣き崩れるわたしを、瑞樹さんは咄嗟に抱きしめてくれた
中谷育
...暖かい、とっても暖かくて・・・
中谷育
...あの日、抱きしめてくれた、死神のお姉ちゃんも同じくらい暖かかったな・・・
真壁瑞希
あなたのせいではありません
真壁瑞希
なので、自分を責めないでください
真壁瑞希
大丈夫です、私に任せてください
真壁瑞希
奇跡を起こしてみせますから
真壁瑞希
だから、中谷さん、私を送ってくれませんか?
真壁瑞希
私の行くべき場所へ!
(台詞数: 50)