周防桃子
ーーー地上、山頂付近
周防桃子
あ、育!こんなところにいたんだ!
周防桃子
敵も来た直後だし、危ないよ!
中谷育
私は大丈夫だよ。ありがとう、心配してくれて。
周防桃子
べ、別に、心配とかそういうわけじゃ………
周防桃子
………あれ?
周防桃子
ーーーふと、木の根元を見る
周防桃子
ーーーそこには、十数匹の虫の死体が転がっていた
周防桃子
みんな死んでる……。
周防桃子
ーーー蝉やカブトムシ、それらは全て先日起きた異常現象で発生したものだった
周防桃子
ーーー寿命にしては早過ぎる。そう思い木を見上げると
周防桃子
木も枯れちゃいそう………。
周防桃子
ーーーそれも、先日まで桜が満開だった木が、今は花を散らし、弱々しく立っていた
周防桃子
どうしてこんな事が………?
高木社長
真壁:………私も知りたいな。
中谷育
初めてだね。史彦から会いに来てくれるのは。
高木社長
真壁:教えてくれ。島で起きている事、敵の襲来、パイロットの同化現象、全て関連しているのか?
中谷育
私が目覚めたこともね。
中谷育
昔、日本のミールがあなた達から親になる力を奪った。
中谷育
それは、生まれるということが理解出来なかったから。
中谷育
でも今、ミールは命を理解しようとしている。
高木社長
真壁:そのために、島の花を異常に咲かせたというのか?
中谷育
そう。そしてミールは、より多くのことを知りろうとしてる。
高木社長
真壁:それを教えるために戦闘中に外に出ているのか?島が滅ぶ危険も考えずに?
高木社長
真壁:それだけじゃない。島民の犠牲だってある!それなのに………
中谷育
今日、沢山の虫が死んで、沢山の花が散ったよ。
中谷育
史彦は、悲しいと思う?
高木社長
真壁:我々の命は、虫や花と一緒だというのか?
中谷育
ううん。虫や花は、自分のことを悲しいとは思わない。動物もそう。でも、人だけは悲しいと思う。
中谷育
もし、戦うばかりの世界が悲しいと思うなら、悲しさを消す一番の方法はなんだと思う?
高木社長
真壁:………フェストゥムに、我々の悲しみを理解させることだ。
中谷育
そう、かつて豊川風花が考えついた、とても簡単で、とても難しい方法。
高木社長
真壁:まさか、君はそれを戦闘中に試みていると?
中谷育
そうしないと、彼らは違う気持ちを選んでしまう。
中谷育
命があることで生まれた、もう一つの気持ち………憎しみを。
高木社長
真壁:………我々は、正しい道を進んでいるのか?
高木社長
真壁:思想のために島を作り、敵の力を利用し、結局は我々自身が生き延びるために………
高木社長
真壁:………子供達を犠牲にしている。
中谷育
正しい力、正しい道を選ぶこと。あなたはそれができる人だよ。
中谷育
道は、あなたの中にあるよ、史彦。
(台詞数: 40)