中谷育
...所恵美・・・
中谷育
...なんだか___
中谷育
...なんだか、懐かしい響きがした
中谷育
...どこかでその名前を聞いたことのあるような
中谷育
...どこかでその人に会ったことがあるような
中谷育
...そんな気がしたの
中谷育
...でもね、わからないの
中谷育
...現世に生かされた彷徨える悲しきマジシャン
中谷育
...真壁瑞樹さんの探し人
中谷育
...わたしのずっと会いたい人
中谷育
...この二つの要素が重なるような事態は起きるはずがない
中谷育
...それこそ一万分に一の確率
中谷育
...ううん、それ以上だよ
中谷育
...だからその二人が、同じ一人で・・・
中谷育
...同一人物なはず訳ないよ
中谷育
...そんな偶然ありえないんだって・・・
中谷育
...こんな皮肉にも満ちた奇跡なんてありえないんだ
中谷育
...わたしはそう思いたい
中谷育
...そう思わなくちゃいけないんだ
中谷育
...そう思い込まなくちゃいけないんだ
中谷育
...だって・・・
中谷育
...もし仮にそんなことが今現在起こっているとしたら・・・
中谷育
...わたしは最低だ
中谷育
...思い出せない
中谷育
...どんなに記憶を頭の片隅から引っ張り出そうとしても・・・
中谷育
...ちゃんとしたクリアな記憶が浮かび上がってこないんだから・・・
中谷育
...頭が痛くなる・・・
中谷育
...頭痛と・・・雑音・・・
中谷育
...ザ・・・ザー
中谷育
...ザー・・・ザー・・・ザー・・・ザー
中谷育
???『ザー・・・怖くないの?』
中谷育
『お姉ちゃん・・・ザー・・・つれていって・・・ザー・・・なら怖くないよ』
中谷育
...ダメ!・・・もっと集中しなくちゃ!
中谷育
...集中・・・集中・・・
中谷育
...浮かび上がる記憶の残像は掴みかけると蜃気楼のように歪んで・・・
中谷育
...それでも少しでも思い出したかった
中谷育
...曖昧なままでもいいから、少しの手がかりでも掴みたいと思った
中谷育
『だって死神のお姉ちゃん達はわたしにい~っぱい幸せをくれたよ~?』
中谷育
...生前の・・・キャリアーだったわたしの笑顔が眩しい
中谷育
...わたしはあんなにも純粋に笑顔をつくることができたんだね
中谷育
...いまのわたしには、もう・・・むりかな
中谷育
『わたしね・・・』
中谷育
『わたしね・・・お姉ちゃんたちとお揃いのキーホルダー持ててうれしいよ』
中谷育
...キーホルダー?
中谷育
...キーホルダーってどんなキーホルダーだったかな・・・
中谷育
...ごめんね・・・ごめんなさい・・・思い出せないよ
中谷育
...いまもっているのか・・・それとももう失くしてしまっているのか・・・
中谷育
『向こうにいってみ絶対に失くさないから!』
中谷育
...それすらも・・・わからないんだもん・・・
中谷育
チャリンッ!
(台詞数: 50)