菊地真
あ、二人ともおはよう!
萩原雪歩
真ちゃん。おはよう!
如月千早
あら、今朝は元気なのね。何かあったの?
菊地真
いや、最近寒いからさ、朝の挨拶だけでも元気だしとこうかと思って……
萩原雪歩
……そうだね。とっても良いと思うよ。
如月千早
真って冷え性だったかしら。
菊地真
そうなんだよね……なんかあったまる良い方法無い?
萩原雪歩
いつもより長風呂してみたらどう?
菊地真
長風呂か……なるほど。何メートルくらい?
萩原雪歩
……
如月千早
……
菊地真
ごめんなさい。それにしても二人ともお揃いだけど、今からリハなんだっけ?
萩原雪歩
うん!冬は千早ちゃんと二人の仕事が増えるんだ。
菊地真
確かに二人とも冬っぽいもんね。ちなみに何歌うの?
如月千早
今度歌うのは冬にぴったりな曲「あったかな雪」よ。
菊地真
ええ……。
如月千早
あら、微妙な反応ね。どうしたの?
菊地真
あったかな雪……あったかな雪……はて。
菊地真
そんな曲あったかな!?
萩原雪歩
……
如月千早
……
菊地真
……
萩原雪歩
……
萩原雪歩
…………
萩原雪歩
………………
萩原雪歩
………………あれから何年経っただろう。
萩原雪歩
あの時の真ちゃんの一言により世界を覆った寒波はついに、人口を半分にまで減らしていた。
萩原雪歩
再び来た氷河期は生態系を狂わせ、人々を恐怖の渦へと落とし込んだ。
萩原雪歩
少ない資源の奪い合い、あるいは異常気象の責任の所在を求める宗教同士の争い。
萩原雪歩
この真っ黒で真っ白な空の下で、原因を知っているのは私達だけだった。
萩原雪歩
悪いのはきっと……
如月千早
萩原さん?さっきから思い詰めてるみたいだけど……大丈夫?
萩原雪歩
あ、ごめんね千早ちゃん。昔の事を思い出しちゃって……
如月千早
……あれから、色々あったわね。でも、もうすぐよ。
萩原雪歩
うん、やっとここまでこれたんだもん。この氷河のどこかにきっと……
如月千早
真がいる……はずね。きっと二人で、見つけ出しましょう。
萩原雪歩
……千早ちゃん、悪いのって誰なのかな……?
如月千早
……真では無いわ、決して……。あの状況なら、私が言ってしまっていたかもしれない。
如月千早
偶然、その役が真だっただけよ。
萩原雪歩
……でもきっと、真ちゃんはそうは思わないよね。真ちゃんを目覚めさせるのは……とても。
如月千早
残酷?
萩原雪歩
だって千早ちゃん!こんな空になってから、色々失くしたよ!もう何したって戻って来ないんだよ!
如月千早
そうね、もう取り返しはつかないし……これが勝負ならもう随分前に負けてるわ。
如月千早
でも、それが前を向いてはいけない理由にはならないわ!
萩原雪歩
……そうだよね。こんなになってても元気でいたら、また皆で笑えるよね。
如月千早
いつもの萩原さんに戻って良かった。はい、あったかいコーヒーどうぞ。
如月千早
これ結構な値段だったのよ。水瀬さんがくれたのだけど……
萩原雪歩
あったかい……このコーヒー。いくらしたの?
如月千早
677,768,755,568円。
萩原雪歩
あ、たかい。
(台詞数: 50)