【+M】poco a poco
BGM
Just be myself!!
脚本家
リコピン
投稿日時
2014-12-08 22:39:37

脚本家コメント
このドラマには、SideMのアイドルが登場します。苦手な方はご注意下さい。
急ぐことはない、歩こう。

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如月千早
(歌い始め。ここは一音一音、おざなりにしないで。でも、高らかに、伸びやかに。)
如月千早
(そのままメロディを途切れさせないで。集中を、糸を切らすな。)
如月千早
(Bメロ。ここで力を込め始める。)
如月千早
(聴く人を、物語の展開に惹き付けられるように、強く。強く。強く。)
如月千早
(…今だ、解き放て…!!)
如月千早
─すっ、とブレスを挟んだ、その時だった。
如月千早
─私の歌のスピードなど意に介さない、ぱん。ぱん。という拍手が割り込んできた。
如月千早
誰っ!?
如月千早
─歌の勢いと邪魔が入った苛立ちとで、思わず声が荒らぐ。
如月千早
─拍手の主は、長身痩躯の男性だった。金色の髪を揺らしながらこちらに来る。
如月千早
…どちら様、ですか?
如月千早
─構わず、と言うか私の声が聞こえているのかいないのか、ゆらゆらと。
如月千早
─金色の空気の男性は、遠慮というものを一切知らない足取りで、私の前に立った。
如月千早
─まだ生き急ぐには早いよ。
如月千早
っ!?
如月千早
…何の、ことですか?先の歌の感想でしょうか?
如月千早
─誰かのために、何かのために。それはとても美しい。
如月千早
あの、人の話を聞いて…、
如月千早
─しかしそれは音楽だろうか?芸術だろうか?
如月千早
─君の口はひとつで、君の耳は一対だ。それを持つ、君の身体もひとつ。
如月千早
─全てをその身に背負って芸術を為すことは、とても悲しい美徳ではないだろうか?
如月千早
─そんな悲しいものは、歌だと思うかい?
如月千早
………。
如月千早
─そんな君に言葉の翼をあげるよ。先人のミューズが遺した、シンプルな一言さ。
如月千早
─それは、軽やかな耳ざわりのイタリア語。
如月千早
─歩くように、という意味の演奏記号。
如月千早
貴方は、一体…?
如月千早
─あぁ、麗か。うん、今行く。うん。それじゃあまた。
如月千早
─そう言い残して、金色の彼はふらりと去っていった。
如月千早
(また、って…会うことなどないと思うのだけど…。)
如月千早
………。
如月千早
…歩こう、か。

(台詞数: 32)