中谷育
わたし達三人だけで演劇をするなんて凄いよね!いっぱい練習して絶対成功させないと!
大神環
そうだな!すっごい演技でおやぶん達をびっくりさせてやるぞ!
周防桃子
(ふむ、妖精の国でのほのぼのとした騒動を描いた歌劇風の舞台、話も構成も極めて平易……)
周防桃子
(演者を考えても上手い演技は求められてなく、桃子達が達が可愛いければそれで良い舞台だね…)
周防桃子
(なら二人のレベルに合わせて拙い位で丁度よしっと……)それじゃあ読み合わせしよっか!
中谷育
うん、それじゃあ早速… …『たまきちゃん、きょうはなにしてあそぼっかー』
大神環
『きょうはおはなばたけにあそびにいこうよ!ひまわりさんがそろそろさくころだぞ……だよ!』
中谷育
『あっ!ひまわりさんがさくころなんだね、ひまわりさんはきれいだよねー』
大神環
『それじゃあさっそくしゅっぱつだぞ!』……じゃなくて『しゅっぱつだね!』
周防桃子
『たいへんたいへん、おはなばたけがたいへんなんだよー』
中谷育
『ももこちゃん、いったいどうしたのー』
周防桃子
『それが、おはなばたけのひまわりさんがおひさまがたりなくてさけないんだって』
大神環
『それはたいへんだぞ!……』じゃなくて『それはたいへん!どうしよう?』
周防桃子
『うーん、もしかしたらみんなでおひさまをあつめたらさいてくれるかもしれないけどー』
中谷育
『それなら、きょうのあそびはみんなでおひさまあつめだねー』
大神環
『よーし!しゅっぱつだぞー……しゅっぱつだね!』
周防桃子
で、ここからは歌パートだね……中々悪く無いんじゃない?
中谷育
……桃子ちゃん、本当にそう思ってるの?
周防桃子
えっ、一回目の読み合わせだしこんな物だと思うけど……
大神環
いや、たまき達じゃなくてももこがだよ……いつもならもっと上手く演技するよね?
周防桃子
まあ、わざとレベルを下げてるのは確かだけどね……
中谷育
それって、わたし達が上手く出来ないからそれに合わせて手を抜いてるって事?
周防桃子
いや、そうじゃなくて舞台の雰囲気に合わせたと言うか……
大神環
たまき、ももこに手を抜かれても嬉しくないぞ!
中谷育
うん!わたし達のレベルが足りないなら頑張って追い付くから……!
周防桃子
いや、演技経験ほぼゼロの二人がすぐ桃子に追いついたら『周防桃子』の沽券に関わるからね?
中谷育
それでもっ!頑張って追い付くから……桃子ちゃんも全力で頑張ってよ……!
周防桃子
いや、だからそういう事じゃなくてクライアントが求めている事に合わせたら……
大神環
たまきからも頼むぞ!ももこと一緒に頑張るからっ!
周防桃子
はぁ……怒られても知らないからね?それじゃあ桃子が出てくる所からやり直しね……
周防桃子
『はぁ、はぁ……大変!大変だよっ!お花畑が大変なんだよっ!』
中谷育
それで良いんだよ!……『ももこちゃん、いったいどうしたのー』
周防桃子
『それが……お花畑のひまわりさんがお日様が足りなくて咲けないんだって……』
大神環
『それはたいへん!どうしよう?』
周防桃子
『うーん……もしかしたら、みんなでお日様を集めたら咲いてくれるかも知れないけど……』
中谷育
『それなら、きょうのあそびはみんなでおひさまあつめだねー』
大神環
『よーし!しゅっぱつだぞー!』
中谷育
うん!これでこそ桃子ちゃんだよ!
大神環
うんうん!一緒に頑張るぞー!
周防桃子
(やっぱり桃子の演技だけすっごく浮いてるなぁ……突っ込まれ無いと良いけど……)
中谷育
(数日後)……これじゃあ全然桃子ちゃんに追いつけて無いよ!
大神環
うーん、台詞は間違えなくなったけど棒読み感じが消えないぞ……
周防桃子
いや、だから二人のレベルも相当上がってる桃子が二人に合わせるからさ……もう23時だよ?
中谷育
そんな事言っちゃダメだよ!桃子ちゃんの演技が浮かないようにわたし達が合わせるんだから!
大神環
そうそう!ももこは大船に乗ったつもりで見ててよ!
周防桃子
いや、だから……言っても無駄か……
周防桃子
(案の定『桃子の演技だけ浮き過ぎ』と怒られたのは予想通りだったけど……)
周防桃子
(それでムキになった二人が桃子に絶対追い付くと無謀な練習をする事になるとは……)
周防桃子
(お兄ちゃんは頑張るのは良い事だって放置の構えだし、桃子にどうしろと……)
(台詞数: 49)