【二人称】あなたは中谷育のPになる
BGM
グッデイ・サンシャイン!
脚本家
赤津紀一
投稿日時
2014-09-06 06:03:44

脚本家コメント
 ご注文は小学生ですか?
 テーマ:「二人称」
 改行の整理とか、
 色々なことを試してみました。
 追記:結局、上手く改行出来てぬえ…

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中谷育
あなたはもし、道の真ん中で誰かを探している小学生を見かけたら、どうする?
中谷育
その無垢な瞳と姿はまるで、生後一月くらいの子猫か、ハムスターのように愛らしい。
中谷育
そんな子が、雑踏の中で不安そうにきょろきょろ周囲を見回し怯えていた。
中谷育
あなたはどうするだろうか。自ら声をかけるか、見守るか、それとも――
中谷育
→声をかける 遠くから見守る 無視する
中谷育
. 声をかける →遠くから見守る 無視する
中谷育
. 声をかける 遠くから見守る →無視する
中谷育
. 声をかける 遠くから見守る ⇒【無視する】
中谷育
あなたは、あえて無視することにした。
中谷育
困ってそうだが、無関係の自分に出来ることはない……と踵を返し、その場を立ち去ろうとする。
中谷育
と――後方から短い足音が追いついてきて、背中の服のすそを引っ張られた。
中谷育
「プロデューサーさん!」
中谷育
それは、あなたを示す呼称ではなかった。
中谷育
「あっ……すみません」
中谷育
人違いだとわかると彼女の可愛らしい顔は、またすぐに影を落とす。
中谷育
それを見たあなたは思わず「どうしたの?」と小さな天使に質問を投げかけた。
中谷育
「人を探してるの。お兄さんくらいの人。はぐれちゃったから」
中谷育
あなたはそれに対し、優しく微笑みながら、こう言うと思う。「一緒に探そうか?」
中谷育
「えっ、いいの!? でも……」
中谷育
見ず知らずの人に着いて行って大丈夫かな、という不安の色が彼女の表情に出る。
中谷育
しかし、それよりも一人きりでいる不安の方が大きかったようで
中谷育
「じゃあ、あの、よろしくお願いします……」
中谷育
彼女は礼儀正しく、ぺこりと軽く頭を下げた。
中谷育
. ~二時間後~
中谷育
「見つかんないね、お兄さん」
中谷育
真夏の炎天下の中、二人で一緒に街を探したが、相手はなかなか見つからない。
中谷育
「ふぅ……」
中谷育
彼女はかなり汗ばんでいて、暑さにまいっているようだった。
中谷育
あなたは提案した。 「休憩しようか」
中谷育
どこで? と身構える少女に、あそこの喫茶店だよ、というと彼女は安心した様子で
中谷育
「うん!」
中谷育
と、素直に喜んだ。あなたは小さいその子と二人で一緒に喫茶店へ入る。
中谷育
カウンター席のイスが少し高かったので、上がるのを手伝ってあげようとしたら――
中谷育
「ちょっ……このくらい自分で座れるもん! 座れますっ!」
中谷育
怒られた。どうも子供扱いされたくないらしく、ぷりぷりとぷにぷにの頬を膨らませている。
中谷育
ご注文は? と聞かれて、あなたはコーヒーを頼んだ。すると彼女はなぜか答えづらそうに
中谷育
「…み、ミルクカフェオレ」
中谷育
と答えた。悔しそうな、恥ずかしそうな、もどかしそうな顔つき。
中谷育
しかしそんな表情をしていたのは最初だけで、
中谷育
甘くて涼やかなカフェオレを美味しそうに飲む彼女には、純粋な少女のあどけなさが戻っていた。
中谷育
. ~一時間後~
中谷育
「はぁ、見つかんないねー」
中谷育
プロデューサー、という彼女の保護者はまだ見つからなかった。
中谷育
「ねえ、お兄さん。お兄さんって、優しいね」
中谷育
「優しい人は、すてきだよ。格好いいよ。わたし、優しい人は、好きだな」
中谷育
あなたはその時、つないだ彼女の手が震えていることに気づくだろう。瞳の涙に気づくだろう。
中谷育
そう、あなたがこのドラマをここまで見たということは、私はもう事務所にはいない。
中谷育
とてもとても残念だが、私は純真無垢な彼女の制止を振り切り、海外へ転勤するのだ。
中谷育
あなたはもし、街でPを探して途方に暮れる小学生アイドルに出会ったら、どうする?
中谷育
あなたはどうする? →この子のPになる ならない

(台詞数: 50)