中谷育
それで、トリさんの巣に、金色に光る天使様のたまごがあるんだって。
木下ひなた
『天使様のたまごの噂は、おじいさんの家に住み着いている、』
木下ひなた
『物を盗む悪いネズミの親分の耳にも届きました。』
木下ひなた
『その横にいるのは、子分のナナホシちゃん(育)と、アカホシちゃん(桃子)です。』
木下ひなた
そいつはいい情報を手に入れたなぁ。でかしたぞ!
木下ひなた
『ネズミの親分は、子分達にそのたまごを盗んで来るように言いました。』
木下ひなた
えぇか、そのたまごをかえして金の鳥にすれば、
木下ひなた
その鳥がまた金のたまごを、どんどん産んで、俺達ぁあっと言う間に大金持ちって寸法よ。
木下ひなた
『ところがアカホシちゃんが言いました。』
周防桃子
でもね親分。もしもたまごが無くなった事がわかったらどうするの?
周防桃子
村の連中、私達の仕業だと思って、捕まえに来るわよ。
中谷育
そ、そうだよ……。もし、あのイヌなんかに捕まったら……。考えるだけで恐ろしいよ。
周防桃子
ナナホシちゃんの言う通り、危険だと思うの。親分、やめた方がいいと思うわ。
木下ひなた
なに怖気づいてるんだ、弱虫が!
木下ひなた
だったら、石っころでも、カブでも、なんでもえぇから、
木下ひなた
その辺にある丸っこいのと、代わりに巣の中に入れておくんだ。
木下ひなた
そうすりゃ、その間にずらかれるってもんさ。
木下ひなた
さぁ、ぐずぐずしねぇで、とっとと行って来い!
木下ひなた
『ネズミの親分は、子分の意見を聞かず、たまごを盗むことを決めてしまいました。』
中谷育
『………』
周防桃子
まったく、人使いの荒い親分ね……。
中谷育
あぁなっちゃったら、聞く耳持ってくれないから、2人でがんばって たまごを持って帰ろうよ。
中谷育
『テントウムシ姉妹が全速力で駆けつけた時、』
中谷育
『丁度ネコさんとウサギさんがやってきたところでした。』
中谷育
『トリさんが巣から降りて、ご挨拶をしているので、』
中谷育
『盗むタイミングは、今しかありません。』
周防桃子
行くわよ、ナナホシちゃん。代わりになるもの、持ってきた?
中谷育
うんっ!おじいさんの家から、たまごに似たまぁるい物!
周防桃子
……色、形、大きさも似ているから、しばらくはごまかせそうね。
中谷育
『テントウムシ姉妹は、素早くたまごを取り出すと、』
中谷育
『持ってきたまぁるい物を巣に入れると、一目散で逃げ帰りました。』
周防桃子
『その5に続く!』
(台詞数: 32)