周防桃子
『セミって最期の瞬間羅刹のごとく暴れまわるよね』
周防桃子
『これがホントのセミファイナル!』
中谷育
あ、桃子ちゃん携帯鳴ってるよ?
周防桃子
うん…お兄ちゃんからだね。
周防桃子
もしもし?……うん、いま埋め終わったところだよ。
周防桃子
……うん、わかった。育と環と一緒に事務所に戻るね。じゃあ。
中谷育
桃子ちゃん、着信音が個性的だね…わたしが電話かけても今のが鳴るの……?
周防桃子
育からの時の着信音は違うよ!今のはお兄ちゃん専用のだから!
周防桃子
この間桃子がお仕事頑張った時に、お兄ちゃんがご褒美にやってくれた一発ギャグなんだ!
中谷育
そ、そうなんだ…プロデューサーさん随分ホンイキでやってくれたんだね…
周防桃子
そうだね。…ねぇ環、そろそろ事務所に戻るよ?
大神環
……うん、わかった。
中谷育
ねぇ環ちゃん?
中谷育
……このセミ、事務所のビルと隣のビルの隙間で死んじゃってたんだよね?
大神環
うん、そうだぞ。環が見つけた時はもう虫の息だったんだ。セミだけに。
中谷育
……
大神環
体中傷だらけで、ボロボロになって地面にころがってた。
中谷育
……そんな場所に傷だらけで一人っきりだなんて、寂しくなかったのかな。
大神環
それは……
大神環
わからないけど。さみしくて怖かったかもな…
大神環
『あれ?よく考えたらセミって全裸じゃないか?』
大神環
『これがホントのセミヌードだぞ!』
大神環
あ、電話だ……もしもし、ひびきか?うん、さっきのセミは埋め終わったよ。
大神環
ねぇひびき。あいつ、一人っきりで死んでってさみしくなかったのかな。
大神環
……セミって生まれてから10年くらい地面の下に居るの!?それ本当!?
大神環
それで地上に出てからは2～3週間しか生きられないんだ。そんな短いんだ…
大神環
地面の下にいる時間と比べたら、ほとんど一瞬みたいなもんじゃないか。
大神環
でも?
大神環
暗い所で何年も一人っきりでいたからこそ、明るくて賑やかな地上が輝いて見える…のか?
大神環
死ぬ瞬間も、明るい場所で精一杯生きられて満足してたって、ひびきはそう思うのか。
大神環
ん～…セミの本当の気持ちはわからないけど。
大神環
たまきも……きっとそうだったんだと思うことにする。
大神環
ありがとね、ひびき。
大神環
うん、帰ったら色んな動物の話もっと聴かせてね!じゃあ!
大神環
……だってさ。
中谷育
うん。わたしも環ちゃんと同じように思うことにする。
周防桃子
桃子も、二人と同じ気持ちかな…うん。
中谷育
それにしても、環ちゃんも個性的な着信音なんだね。
大神環
今のはおやぶんの一発ギャグを見たひびきが、一人の時にこっそり練習してたヤツなんだ!
中谷育
セミが裸でセミヌードって…全裸なのか半裸なのかハッキリしてほしいギャグだね…
大神環
ことりに録画されてたのに気付いたひびきが慌てちゃって可愛かったぞ!
周防桃子
ほら二人とも?もう事務所に戻らないとみんな心配しちゃうよ?
中谷育
そうだね、じゃあみんなで帰ろうか!
中谷育
『セミにとって夏って甘い恋の季節よね…』
中谷育
『これがホントのセミスイート!』
中谷育
あ、律子さんから電話だ!
周防桃子
律子さん今のやったの!?
(台詞数: 47)