如月千早
……で、チュートリアル終わったけれど、どうすればいいの?
北沢志保
あ、報酬来ました、これで結構です。すみません、わざわざ。
如月千早
いや、このくらい良いけれど……。これ、どういうゲームなの?
北沢志保
全国のありとあらゆるタスマニアオオザリガニを育てるゲームです。病みつきますよ。
北沢志保
ちなみに今千早さんを招待して貰ったのはガラパゴスタスマニアオオザリガニです。
北沢志保
でも一番目当てのマダガスカルタスマニアオオザリガニが手に入らなくて……
如月千早
…………
如月千早
…………あ、この西麻布タスマニアオオザリガニ可愛いわね。
七尾百合子
はあ……ただいま帰りました。
如月千早
あ、お帰りなさい。
如月千早
……ねえ、七尾さん。何かあったのかしら?
北沢志保
……あからさまに元気が無いですね。
如月千早
……今ザリガニの話振って失敗しても冗談で済むレヴェルだと思う?
北沢志保
……止めときましょう。
七尾百合子
……良いですよ別に。ザリガニには造詣深くありませんけど。
如月千早
あ、聞こえてた?ごめんなさいね。悪気は無いのよ。
北沢志保
……プロデューサーと、結局どうなったの。
七尾百合子
……
七尾百合子
……仕事の終わりにですね。車に乗せてもらって……今日は、助手席に座ったんです。
七尾百合子
私、話があるって言ったら……道路脇にちょっと車止めてもらって……それで、その……
七尾百合子
伝えたんです。
如月千早
……何を?
七尾百合子
窓から花屋さんが見えて……鉢植えがたくさんあって、でも、一つに一輪しか無くて……
七尾百合子
だから……同じ鉢植えに二つのお花があるのはダメなんですか?みたいなことを……
七尾百合子
もうちょっと、その……具体的にというか……とりあえず、それは伝わってくれたんです。
北沢志保
それで、プロデューサーはなんて?
七尾百合子
鉢植えって、お花にとってはとても大事な物で、それのおかげで輝ける物で……
七尾百合子
一つの鉢植えに無理矢理違う花を植えたりしたら根が絡み合ったり、日が当たらなくなったり……
七尾百合子
上手くいかない事が多いって……
北沢志保
……
如月千早
……プロデューサー、家庭菜園でも始めるの?
七尾百合子
でも、こうも言ってました。
七尾百合子
別に植え替えを怖がってる訳じゃないし、素晴らしいことだとも思ってるって……
七尾百合子
……だけど、その花が輝ける理由を邪魔することは出来ないって……
北沢志保
……そう。
如月千早
……??
七尾百合子
私、自分を大人だと思ってました。
七尾百合子
少なくとも、前よりは成長したと思ってたんです。
七尾百合子
プロデューサーには手がかからない子だって言われてましたし、実際最近一人で仕事もこなせてて
七尾百合子
だから、少しは認めてもらえてると思ってて……
七尾百合子
……でも、あの人の方がずっと大人でした。
七尾百合子
あの人の中で、私は私のままでした。
北沢志保
……でも、それはあの人もあなたの事を……
七尾百合子
ううん……いいの。良く考えたら最初から分かってた様なものだし。
七尾百合子
あ、でも大丈夫!仕事に差し支えたりしないから!
如月千早
……あの、今一つ飲み込めないのだけれど。
北沢志保
……そろそろ察しても良いんじゃないですか。
如月千早
いえ、多分そうじゃなくて。
七尾百合子
良いんですよ別に。まあ結果として確実なことは……
七尾百合子
私、だめだったんです。
(台詞数: 50)