64:きさらぎちはやの歌#3
BGM
Snow White
脚本家
concentration
投稿日時
2014-10-09 02:56:17

脚本家コメント
通し番号も間違えてるし……。穴掘って埋まりたいですぅorz
Sheryl Crow「Run,Baby,Run」1993年
作詞:シェリル・クロウ
作曲:ビル・ボットレル、デヴィッド・ベアワルド、シェリル・クロウ
稀代の歌姫シェリル・クロウ、彼女は如月千早と良く似ている。
何が似ているのか?………72が似ているのだろうか……。

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如月千早
お寺から借りた束子と手拭いで、千鶴さんは墓石を磨き始めた。
如月千早
道具を借りて、私もそれを手伝う。
如月千早
優しげな表情の彼女の額に、汗が浮かんでいた。
如月千早
……………、
如月千早
「詩を書いてみよ」という唐突な振りは、今すぐの返事を期待しての言では無いようだった。
如月千早
他のどれよりも綺麗にされている墓石を、更に丹念に洗い、磨く。
二階堂千鶴
「お寺の方々がまめに手入れして下さっているのですが、」
二階堂千鶴
「年中雨晒しですから、縁者の足が遠退くと忽ち荒れてしまいます。」
二階堂千鶴
「貴方の弟さんのお墓も…」
如月千早
「……弟の墓に………行かれたんですか?」
二階堂千鶴
「とても綺麗に手入れされてましたわね。」
二階堂千鶴
「貴方と御両親が丹念に手入れなさっているのが、伝わりますわ。」
如月千早
「………両親は、弟を溺愛していましたから………」
二階堂千鶴
「子供に愛情を注ぐ、当たり前の事ですが、それは素晴らしい事ですわ。」
如月千早
「そう……ですね。それは………、良く、分かります……」
二階堂千鶴
「あくまで例えばの話ですが……」
二階堂千鶴
「貴方と弟さんの立場が逆だったとしても、御両親の悲しみの深さに変わりは無かったでしょう。」
如月千早
「それはどうでしょうか……」
二階堂千鶴
「貴方が意固地になるのもまた、分かりますが……」
如月千早
「……!何が分かるんですか!あの人達を知らない貴方に……」
二階堂千鶴
「お会いしましたから。」
如月千早
「そんな、どうしてわざわざ……」
二階堂千鶴
「大切な娘さんをお預かりするわけですから、御挨拶するのは当然でしょう。」
如月千早
「大切……あの人達は、そんな風には思ってませんよ……。」
如月千早
……………。
如月千早
今でもはっきりと聞こえてくる、父の言葉。
二階堂千鶴
「………お二人とも、口を吐くのは後悔の念。そして」
二階堂千鶴
「貴方の今を、案ずる想い。」
如月千早
……………。
二階堂千鶴
「別れ際に、お父上から託された言葉がございますわ。」
二階堂千鶴
「『どうか千早が、前を向いて走り出せる様、力添えして下さい』」
二階堂千鶴
「『決して後ろを振り返らぬ様、……我々の事など顧みず、走り続けられる様に』……と。」
如月千早
……………。
二階堂千鶴
「……すっかり遅い時間になってしまいましたわね。」
如月千早
日はとうに沈み、空の色は藍色濃く染まり、
如月千早
淡い月明かりと星の瞬きの天蓋に覆われていた。
二階堂千鶴
「帰りましょうか。晩御飯は家で召し上がっていきなさいな。」
如月千早
「…………はい。」
如月千早
私は小さく返答し、
如月千早
月明かりに照らされた
如月千早
日溜まりの匂いを残した背中を追って
如月千早
ゆっくりと歩き出した。

(台詞数: 42)