エミリー
―――はむっ。もぐもぐ。
エミリー
嗚呼…桜を見ながら食べる、出店のたい焼きも美味しいですね。
エミリー
紗代子さんにお勧めしていただいた、有名なたい焼きさやんのたい焼きも好きなのですが…。
エミリー
やはり、こういった所で食べるのはそういう空気感も相まっての味なのでしょうね。はむはむ。
エミリー
…あ、温かいお茶ありがとうございます、仕掛け人さま。
エミリー
温かくなってきたとはいえ、今日は少し薄着にし過ぎたみたいでして…。
エミリー
そういえば仕掛け人さまは見ましたか?先程のご老人、まるで奇術師みたいでしたね。
エミリー
両手をパンとならすだけで、池に漂っていた鴨が一斉に集まって来たんですよ?
エミリー
……仕掛け人さま?先程から携帯端末にばかり視線を落としているようですが。
エミリー
もしかして、私とお花見に来るのは乗り気ではなかったのでしょうか…。
エミリー
…むー。確かにお仕事は大事ですが、こんな時にまでそちらに意識を割いては風情がないですよ。
エミリー
…こう言うのはただの我儘だとは思いますが。
エミリー
私は、仕掛け人さまといっしょに桜を眺めたいと思っているんですから。
エミリー
道を行く人の表情を見てください、仕掛け人さま。
エミリー
表情を見ただけではどのような気持ちで歩いているのかは分かりませんが…。
エミリー
皆さん、とても楽しそうな顔で、上を向いています。桜の花に負けないくらい。
エミリー
まるで、花が咲いたように、ぱあっとした笑顔ですよ!老若男女関係なしにです♪
エミリー
……確かに、あちらの方では一升瓶を抱えて真っ青な顔をしている方もいますが。
エミリー
ですがきっと、直前までは心躍っていた…と思いたいです。
エミリー
…私は毎年、桜を見に来ているのか、ですか?
エミリー
はい!日本に来てからはこの時期、毎年家族といっしょに桜を見に来てますよ。
エミリー
桜と言うのは素晴らしいですね。蕾が付き始めたころから葉桜まで、様々な顔を見せてくれます。
エミリー
こういう言い方をすると、少しばかり不自然かもしれませんが…。
エミリー
私は貴音さまや伊織さまと同じくらい、桜の事を尊敬しているんです。
エミリー
…笑わないで聴いてくれますよね?
エミリー
様々な季節で、多様な表情を私たちに見せてくれて。見に来た方を皆笑顔にすることができて。
エミリー
可愛らしく、それでいて立派に咲き誇っている桜の花はまさに大和撫子を体現した花だと思います。
エミリー
…あの、このような状況で言うには適さないと承知で言うのですが。
エミリー
私は桜のように凛として、愛おしく…皆様に愛されるような大和撫子を目指します。
エミリー
大和撫子として、満開の花を咲かすその日が来るまで…。
エミリー
大和撫子として、満開の花を咲かすその日が来るまで…いえ、花を咲かせるその瞬間も。
エミリー
花が咲いた瞬間だけでなく、散ってしまったそのあとも、ずっとずっと…。
エミリー
私を、支え続けてくれますか…?
エミリー
…本当ですか!では、もう一つ約束をしてください。
エミリー
来年もここに、一緒に桜を見に行きましょう。
エミリー
再来年も、もっともっと先も、来るたびに約束を確認して、強固なものにするためです。
エミリー
…ありがとうございます、仕掛け人さま♪
(台詞数: 37)