エミリー
「えっ」
エミリー
突然の告白に、私は驚きを隠せるはずもなく…
エミリー
更に、驚いたのはそれを打ち明けたお父さんの表情だった。
エミリー
私に精一杯笑顔を作って見せてくれているけれど、しわくちゃになった顔に一筋の涙が伝っていた
エミリー
「その…」
黒井社長
箱崎父「急にこんなことを打ち明けてしまってすまない」
黒井社長
箱崎父「けれど、話さなくちゃいけないと思ってね」
エミリー
「そのっ…全て知っていたのでしょうか!?」
黒井社長
箱崎父「いや、偶然だったんだ」
エミリー
「偶然?」
黒井社長
箱崎父「私達が君を受け入れた時点では、この真実については一切知らなかった」
エミリー
「では…いつ、わかったのでしょうか?」
黒井社長
箱崎父「そうだね…妻が君の部屋を掃除している時にたまたま見つけてしまったんだ」
黒井社長
箱崎父「それを妻が私に教えてくれてね」
エミリー
「そうだったのですね…」
黒井社長
箱崎父「嬉しかったよ」
エミリー
「お父さん…」
黒井社長
箱崎父「娘があの日、どこかへいる誰かに届けたかった想いはしっかりと届いていると知った時」
黒井社長
箱崎父「感慨深かったよ」
黒井社長
箱崎父「しかも、その想いを届けた相手が、運命の糸に手繰り寄せられるかのように…」
黒井社長
箱崎父「こうして私達のもとへきてくれたことを知れてだな…」
黒井社長
箱崎父「こんな奇跡もあるものなのだと思ったよ」
エミリー
「私も嬉しいです」
エミリー
「もう会えていたんですね…」
エミリー
「私の会いたかった人に…私は巡り合えていたんですね」
黒井社長
箱崎父「ああ、出会えているよ」
エミリー
「こんな素敵な縁があるものなんですね」
黒井社長
箱崎父「ああ」
エミリー
「私、お礼が言いたいんです」
黒井社長
箱崎父「星梨花にかい?」
エミリー
「はい、伝えたい事、想いがたくさんあります」
黒井社長
箱崎父「そうか…そうか…」
エミリー
「お父さん、泣かないでください」
黒井社長
箱崎父「すまない…本当にすまない」
黒井社長
箱崎父「君も私の大切な娘だ、だからその意思は尊重したいと思っている…」
黒井社長
箱崎父「だから…こんな残酷な事はあまり言いたくはない…だけど…すまない…」
黒井社長
箱崎父「娘にこのことを話すのはやめてくれないか?」
エミリー
「どうしてでしょうか?」
黒井社長
箱崎父「また、娘を傷つけることになってしまう…」
黒井社長
箱崎父「それだけは避けたいのだ…」
黒井社長
箱崎父「君には窮屈で、辛い思いをさせてしまうと思う…」
黒井社長
箱崎父「それも承知の上でお願いしたい…」
黒井社長
箱崎父「すまない…本当にすまない…私は情けない父親だな…」
エミリー
「そんなことないです」
エミリー
「お父さんの想い、とっても伝わってきました」
エミリー
「なので、星梨花には言いません」
エミリー
「娘と父の約束です…ニッコリ」
黒井社長
箱崎父「エミリーは本当に家族想いな子だね」
エミリー
「お父さん程ではないです…けれど、これだけは言えます」
エミリー
「星梨花も、お母さんも、お父さんも…私の大切な家族です」
(台詞数: 50)