馬場このみ
(……かつてこの世界を救い、何処かへ去っていった7人の英雄。)
馬場このみ
(その後、人の世は大いに乱れた。バレンヌ帝国は平和を打ち立てる為、大陸制覇を目指した。)
馬場このみ
(その時、彼らは帰ってきた……人ならぬ姿となり、人に仇なす存在に堕ちて。)
馬場このみ
(帝国の闘いは、七英雄を打ち倒すものとなった。『伝承法』…記憶と技を次代に引継ぎながら。)
馬場このみ
(そして今、ここに新たな皇帝が生まれる。世界の運命は今、彼女の小さな手に託されたのだ!)
馬場このみ
【天から降り注ぐ光】
馬場このみ
……
馬場このみ
やるわよ!
馬場このみ
……ここまで来るのに、多くの先帝と仲間がその命を捧げてきたのね……
馬場このみ
クジンシーをはじめ、打ち倒した『英雄』達は五人。あと二人で、世界に平和を齎せる筈ね。
エミリー
……いえ、クジンシーは生きています!
馬場このみ
……あなたは、エミリーブ?……なぜ姿が変わってないの?
エミリー
かつての皇帝達の記憶を受け継いでいるのですね。今は私の身の上を話している時ではありません。
エミリー
クジンシーだけでなく、今まで倒した英雄は皆生きています。力を蓄えるため暫く眠っていただけ。
馬場このみ
そんな……じゃあ、『七英雄』を倒すことは不可能じゃない!先人達のしたことは無駄だったの?
エミリー
彼らは『本体』を何処かに隠しています。そしてもし残りが一人となれば、本体を守りに行きます。
馬場このみ
……そう。ではこのみさんも腹を括って、刺し違えてでも誰かを倒すわ。後は若い子に託してね。
エミリー
もう一つ大きな問題が。『伝承法』にも限界があります……恐らく貴女が、最後の伝承者でしょう。
馬場このみ
私の後を継ぐものは、いない、か……ふふっ、ますます責任重大ね。
馬場このみ
……では、私の命は大事にするわ。大丈夫よ、無茶はしないから。
エミリー
……チカパ山の向こうに、私達の住む名も無き街が在ります。知りたい事が有れば来てください。
馬場このみ
チカパ山……ヤウダ地方の山ね。変わった地方に居るのね。
エミリー
いえ、ヤウダの文化は実に楽しいのですよ。私も時々出掛けて、温泉や和菓子を楽しんでます。
馬場このみ
ウフフッ、エミリーブはそんな顔で笑うのね。見た記憶が無いわよ。
エミリー
……はっ!はしたないところをお見せしました。……それでは私は、これで。
馬場このみ
……
馬場このみ
ふー。皇帝の使命を授かるだけでプレッシャーなのに。まさか私が「ラストエンペラー」なんてね。
馬場このみ
残る『英雄』を全て倒して。彼らの本体を滅ぼして。そんでもって、私自身も生き延びないと駄目。
馬場このみ
……人払いしておいて良かったわ……初っ端から、心が折れそうよ。
百瀬莉緒
このみ姉さん、居る?お客さんとの話、もう終わったんでしょ?
馬場このみ
莉緒ちゃん!玉座の間に断りもなく、ズカズカ入って来ちゃ駄目でしょ!
馬場このみ
あと、さっき私、皇帝になったんだから!フランクな話し方も止めてよね!
百瀬莉緒
あ……度重なる無礼、どうぞお許しください、陛下。その寛大な御心により……
馬場このみ
……ゴメンゴメン。今は二人っきりだから、今まで通りでいいわよ、莉緒ちゃん。
百瀬莉緒
……もう、イジワルなんだから。妙に威厳が出てたから、ドキッを通り越してゾクッとしたわよ。
百瀬莉緒
でも不思議よね。今朝まで肩を並べて鍛錬してたのに。このみ姉さんが皇帝、私は雇われの身ね。
馬場このみ
ビックリしたのは私もよ……いきなり、次の皇帝は貴女なんて言われて。
馬場このみ
しかも聞いてよ!私が最後の皇帝で、残りの『英雄』を全部倒せだ、途中で負けちゃ駄目だ、とか!
馬場このみ
使命は果たす、部下も守る、その上自分も生き延びろって……正直、玉座から立ちたくない位よ。
百瀬莉緒
……
百瀬莉緒
まだ、旅のメンバーの選抜に取り掛かってないのね。じゃあ、私が一緒に行くわ。
馬場このみ
って、駄目よ莉緒ちゃん!?一旦旅に出たらリタイアできないし……死ぬかもしれない、わ……
百瀬莉緒
なーに言ってるのよ、それはこのみ姉さんも同じでしょ?姉さんだけ送り出せないわよ。
百瀬莉緒
それに、私より優れた娘は居るでしょうけど、こうやって胸の内をぶつけられるの、私だけでしょ?
馬場このみ
……
馬場このみ
……分かったわよ。その代わり莉緒ちゃん、貴女も生き延びないと許さないからね。
百瀬莉緒
分かってるわよ!他ならぬ皇帝陛下の御命令ですから、一命に懸けても果たさせていただきます!
(台詞数: 47)