64:如月千早の歌#3
BGM
Snow White
脚本家
concentration
投稿日時
2014-09-26 03:59:52

脚本家コメント
しまった!#3じゃねーよ!#2だよ!
まーた好き勝手に書き散らかしですスンマセン。
描写が続くと読みづらいかな……。
「坂道のブルース」作曲:仲井戸麗市 1998年
アルバム【Soundtrack serial experiments lain】
とゆーわけで、スライドギター二連発!ででん!
この曲は知ってる人、結構居るんじゃないでしょーかと、密かに期待w

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如月千早
折角の休みなのだから、せめて散策にでも出ないかという千鶴さんの誘いに応じ、
如月千早
我那覇楽器店を出ると、空は微かに薄れがかり、川の匂いを孕んだ風は冷たく、
如月千早
夏の終わりを告げる。
如月千早
風に遊ばれる髪をかき上げながら、ゆっくりと歩く千鶴さんの後を、
如月千早
私は少し離れて、付いて歩いた。
如月千早
駅に着くと、彼女は躊躇い無く二人分の切符を購入し、一枚を私に手渡す。
如月千早
私も何の疑念も持たず、切符を受け取り、彼女に続いて改札を通った。
如月千早
この時間帯にしては比較的空いている車内、並んで吊革に掴まり、
如月千早
会話も無く、ただ漠然と、緩やかに流れる風景を眺める。
如月千早
揺られながら二駅の間、終始無言ではあったが、別段気まずいという事も無かった。
如月千早
電車を降り、駅の改札を出る頃には、
如月千早
先程より少し夕暮れの気配を増した空の色。
如月千早
家路に着く人の喧騒に紛れ、ゆっくりと、進む。
如月千早
途中の花屋で切り花を買い求め、また暫く歩くと、
如月千早
道は徐々に登り始め、やがて細く狭まっていく。
如月千早
長く、細い、背の高い木々に囲まれた、坂道。
如月千早
夕暮れ散歩の犬の吐息、子供達の笑い声、控え目な蟋蟀の音色、
如月千早
音が、静かに、私達と擦れ違う。
如月千早
辿り着いたのは、小さな、古いお寺。
如月千早
境内を通り抜け、裏手の墓地へと入る。
如月千早
千鶴さんは水を汲んだ桶と柄杓を、
如月千早
私が差し出した手に渡す。
如月千早
ひとつの墓石の前で、彼女は立ち止まった。
如月千早
持って来た紙袋から線香を取り出し、火を点けて墓前に捧げ、花を活ける。
如月千早
私は墓石に水をやり、碑文に目を遣る。
二階堂千鶴
「千早さん、貴方、毎月弟さんのお墓にお参りなさってるそうですわね。」
如月千早
「え、……っと………」
二階堂千鶴
「社長から聞きました。」
如月千早
「………はい。」
二階堂千鶴
「私もね、ひと月毎に交互に通っておりますの。」
如月千早
「交互に……?」
如月千早
「此処と、他の何処か……という事ですか?」
二階堂千鶴
「私の両親は、私が五歳の時に他界しました。」
如月千早
「………え?でも……」
二階堂千鶴
「幼い私を引き取り、育てて下さったのが、今の両親ですわ。」
如月千早
「……………。」
二階堂千鶴
「裕福とは言えない家庭でしたが、お父ちゃんもお母ちゃんも、」
二階堂千鶴
「実の子と変わらぬ愛情を以って、私を育てて下さいました。」
二階堂千鶴
「勿論私も、両親を愛しているつもりです。」
二階堂千鶴
「でも、心の奥には、要らぬ苦労を掛けた引け目の様な引っ掛かりが、有ったのでしょうか。」
二階堂千鶴
「大学卒業を機に家を出て以来、次第に敷居を跨ぐのが気後れする様になってしまい、)」
二階堂千鶴
「もう何年も、顔を見せておりません。」
如月千早
「………………。」
二階堂千鶴
「千早さん、貴方……、」
如月千早
「………。」
二階堂千鶴
「詩を書いたことは、お有りになるかしら?」
如月千早
「………え?詩、ですか?」
二階堂千鶴
「そう、心の思いを吐露した、或いは周りの事柄などをしたためた……、」
二階堂千鶴
「声に出して歌いたい……、そんな言葉を綴った詩を、書いたことは有りませんか?」
如月千早
私の、言葉を綴った、詩……………。

(台詞数: 50)