エミリー
とうとう憧れの日本にやって来た。来てしまった。
エミリー
これから新しい生活が始まるかと思うと期待と不安で胸がはち切れそうだ。
エミリー
私はこれから大和撫子を目指し精進していくつもりだ。
エミリー
もちろん簡単では無いだろう。
エミリー
挫折しそうになる事も逃げ出したくなる事もあるだろう。
エミリー
そんな時は故郷の思い出や友人達の顔を浮かべて励みにするのだろうか。
エミリー
桜が咲いている。
エミリー
日本を代表する花だ。
エミリー
この国では受験生が志望校に合格する事をサクラサクと言うらしい。
エミリー
夢を叶えたという意味があるのだろうか。
エミリー
ならば大和撫子を目指す私もいつかサクラサクと呼べる日が来るのだろうか。
エミリー
ふと何処かから歌が聞こえて来た。
エミリー
『思い出はいつも甘い逃げ場所、だけど断ち切れ明日を生きる為』
エミリー
前向きな歌詞だと思った。
エミリー
私もこのような前向きな考えが出来るだろうか。
エミリー
挫折しそうになっても思い出に逃げずに前を向いて進めるだろうか。
エミリー
…このように考える事がすでに後ろ向きな考えだと気付き思わず笑みが出た。
エミリー
まだ何も始まっていないと言うのに。
エミリー
幸い私は一人じゃない。私を支えてくれる人がいる。
エミリー
これから起きる問題はその人と共に乗り越えて行けたらと思う。
エミリー
思い出に逃げず明日を生きる為に。
エミリー
人が近づく気配がした。迎えが来たらしい。
エミリー
「初めまして。エミリー・スチュアートと申します。不束者ですが何卒宜しくお願い致します」
エミリー
「仕掛け人さま」
(台詞数: 24)