百瀬莉緒
ハッピーバースデー、エミリーちゃん!はいコレ、お姉さんからのプレゼントよ。
エミリー
ありがとうございます、莉緒さん。
エミリー
贈り物が何か気になるのですが……人前で包みを開くのは、大和撫子らしからぬ振る舞い……
百瀬莉緒
堅くなり過ぎよ〜。特別な日なんだから、もっと気楽に楽しんでもいいのよ。
エミリー
では、お言葉に甘えまして……これは、絹の手巾ですか。刺繍が素敵ですね。
百瀬莉緒
大人に一歩近づいたから、ハンカチとかの小物も、大人のを選んだらどうかしら。
百瀬莉緒
まあ、シルクのパンティはエミリーちゃんにはちょっと早いから、これ位からね。
エミリー
もう……莉緒さんったら。
北沢志保
……相変わらずですね、莉緒さん。そういう言動を控えることこそ『大人』だと思うのですが。
百瀬莉緒
志保ちゃん、相変わらず当たりがキツイわね〜。お姉さん、ちょっと傷ついちゃうぞ。
北沢志保
尊敬できるなら、こんな態度とりませんよ……エミリー、これは私からのプレゼント。
エミリー
これは、御伽草子調の絵本ですね。絵の趣が凄いです。こんな逸品を頂けるなんて……
百瀬莉緒
へえ。志保ちゃんって、つっけんどんなイメージだけど、みんなの事をよく見てるのね。
北沢志保
……人間観察は、お芝居の勉強になりますから。
百瀬莉緒
しかし若いっていいわね〜。私もふたりくらいの頃に戻りたいかな。
百瀬莉緒
……『門松は、冥土の旅の一里塚。めでたくもあり、めでたくもなし』、なんてね。
エミリー
その和歌は、どういう意味ですか?
百瀬莉緒
一休さんが詠んだんだけどね。お正月はめでたいけど、歳をとっていくのは悲しいわってところ。
エミリー
一休さんは、やはり、利発な方だったのですね……含蓄深いです。
百瀬莉緒
一休さんがオトナになってから詠んだんだけどね。
百瀬莉緒
でも、歳を取らずに済むならそうしたいわ。私だって、いつまでも美貌を保てるとは限らないもの。
北沢志保
そうでしょうか……私は、早く今よりも大きくなりたいと思うのですが。
北沢志保
頼りなげな莉緒さんにしたって、独特の余裕というか……私が持っていない美点が有りますし。
百瀬莉緒
やっぱり志保ちゃん、私を軽んじてるんだ……さみしいなあ。
北沢志保
……いや、今の発言は言葉の綾です。決して莉緒さんを貶めたいわけでは……ええと……
百瀬莉緒
ウソウソ。志保ちゃんをチョットからかいたかっただけよ。気にしてないって〜。
北沢志保
……もう、莉緒さんってば。そういう切り返しができるのは、凄いと思ってますよ。
百瀬莉緒
でも真面目な話、エミリーちゃんには今のままで居てほしいかなあ。
百瀬莉緒
純粋無垢って感じだし、お人形さんみたいな可愛さがあるし。変わっちゃうのは勿体無いわ。
北沢志保
いえ。エミリーはもっと成長して、より高みを目指すべきです。
北沢志保
他の人が望んでも得られない心やルックスを持っているなら、それを磨いていくべきです。
エミリー
私は……
エミリー
私は……私の歩みで歳を重ねたいです。素敵な仲間に恵まれ、大好きな日本で暮らせていますから。
百瀬莉緒
……参ったなあ。ムキになって言い争ってる私たちのほうが、よっぽど子供っぽいわね。
北沢志保
そうですね。ここまでシンプルに答えられるのが、一番素敵な気がします。
エミリー
それでは、莉緒さん志保さん、それに仕掛け人さまも……迎える一年、よろしくお願いします。
(台詞数: 36)